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ハリルは日本人FWを活かせるのか?
クラブでの役割と違う「真ん中勝負」。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAsami Enomoto
posted2015/07/03 10:40
武器だったポストプレーに加え、サイドで起点になる動きにも磨きがかかっている大迫勇也。
サイドに流れるのが得意の大迫に「真ん中」と指示。
大迫は、ハリルホジッチの指示をシンプルにこう説明していた。
「『真ん中で仕事をしてくれ』と言われました。ゴール前で、サイドには流れるなということでしたね」
しかし、それで大迫の良さが活きるのだろうか。ケルンでの昨シーズン前半戦には思うような成績を残せず、地元メディアから厳しい批判を受けていた。それでも後半戦になって復活したのは、大迫がサイドに流れて後方からのボールを引き出すことで起点を作る攻撃が、チームに欠かせないオプションになっていたからだ。
辛口で知られるドイツメディアの大迫への評価もずいぶんと変わった。例えば、『キッカー』誌などは、ホッフェンハイム戦で大迫がゴールを決められなかったにもかかわらず、ベストイレブンに選んだほどだ。
指揮官がそうしたプレーを求めていないというのなら、どうして大迫が必要だったのかがわからないのだ。
岡崎「大きくわかりやすく動く特長は求められていない」
岡崎は、監督の指示と自分の特長についての関係をこう話していた。
「例えば僕の特長は、大きく、わかりやすく動くことだと思っているんです。でも、それをあまり監督には求められていないというか。それよりも、小さく動いて量を増やすこと。ペナルティエリアのボックス内で、どれだけ質の高い動きができるか。あるいは質の高いボールタッチやシュートとか。そういうことを監督は自分に課していると思います」
岡崎は動きながら考えるタイプだ。以前、こんなことも話していた。
「自分はジョギング程度でも、走っておかないといけないんです。止まっている状態からいきなり出て行こうとしても、瞬間的には動けなくなるので。(走ることで)テンションを高めているというところもあると思うし。守備でボールを奪ったり、相手に寄せて周りから『ナイス、ナイス!』みたいな感じになると、自分の中では良い感じなんです」
ストライカーにとって普通は足かせとなりかねないような、直接ゴールに迫る以外の動きも、岡崎にとってはガソリンとなる。そんな稀有なストライカーの特長をハリルホジッチは活かせているだろうか。