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なでしこの決勝進出は「運」なのか?
最後まで走った大儀見の、ある確信。
posted2015/07/02 16:40
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
AFLO
カナダ女子サッカーW杯に出場中の日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク4位)は現地時間7月1日、準決勝でイングランド(同6位)に2-1と競り勝ち、大会連覇に王手をかけた。
ともにPKで1点ずつを取り合って迎えた後半、なでしこはパワーとスピードを前面に出してきたイングランドを相手に、なかなかペースを掴めずに苦しい時間が続いていたが、92分にオウンゴールというラッキーな形で決勝点を手にし、2大会続けての決勝に駒を進めた。
なでしこにとってイングランドは、優勝した前回のドイツ大会のグループリーグで唯一黒星(0-2)を喫した相手でもある。直近の対戦も'13年6月に敵地で対戦し1-1と引き分けで、通算成績は2分け2敗と勝ちがない。ただ、前日の記者会見で佐々木則夫監督が「個人的に、絶対に負けたくないし、今回は負ける気はしない。いい結果が出ると思う」と自信を示せば、選手からも前向きな声が相次いでいた。
「そこまで苦手意識はない。ここまで来たら過去の戦績は気にしないし、楽しみ」(熊谷紗希)
「前回負けたといっても特別な意識はない。早く試合がしたい」(岩渕真奈)
「いまのチームなら負ける要素はない」(大野忍)
緊張とは無縁のリラックスモードは、ドイツW杯、ロンドン五輪と2度のビッグトーナメントで決勝進出を果たした自信の表れだったのだろうか。
イングランドが試合開始から主導権を握る展開。
それでも、試合開始から主導権を握ったのはイングランドだった。
なでしこ同様、前の試合から中3日のイングランドは、準々決勝がナイトゲームだったうえに、時差1時間のバンクーバーからの移動もあった。コンディションに不安を抱えているとの見方もあったが、それでも持ち前のパワーとスピードで日本にプレッシャーをかけ続けた。