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岡田彰布が語る、外国人選手操縦法。
「監督がビシッとやらなアカンで」
posted2015/04/30 16:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
【1】 メンタルにムラのある外国人選手をどう操縦すべきか。
~怠慢守備のマートンと中指を突き立てたメッセンジャー~
【2】 防御率リーグワーストの阪神。それでも正捕手は梅野!?
~疑問符がつく藤井のスタメンマスク~
【3】 読者の質問に「そら答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【1】 メンタルにムラのある外国人選手をどう操縦すべきか。
~怠慢守備のマートンと中指を突き立てたメッセンジャー~
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──昨日(4月28日)のヤクルト戦に先発したメッセンジャーは7回1失点と好投し、2勝目を挙げました。試合後のヒーローインタビューではすこぶるご機嫌で、プロ初の本塁打を放った江越をたたえていました。いつもこの調子だといいのですが、前回登板(4月22日)のDeNA戦では、打席に立てば無気力な態度で見送り三振。6回に失点した際にはジェット風船を飛ばしてしまったレフトスタンドの阪神ファンに向かって中指を立てて毒突いたりと、かなりイライラしていました。アメリカだったら即退場になるところでしたが……。
岡田:ほう……そんなことがあったんか。その場面は知らなかったけど、そらアカンわなあ。
──マートンも打撃の調子が悪いときには守備も怠慢になったりと、メンタルの悪影響が如実にプレーに現れますよね。過去にも「アイ・ドント・ライク・ノウミサン」発言で物議を醸したこともありましたし。で、このふたりに関して読者から質問が届いております。
【Q】:球界随一の助っ人を揃えているタイガースですが、日本球界2年目で相手チームの対策が厳しくなることが心配されたゴメスは4番として今年も打点を量産中、呉昇桓も巨人戦のセーブ失敗はあったもののリーグトップタイのセーブ数でここまでは期待通り。それに比べて、日本球界でのプレーが長いマートンとメッセンジャーが不調で集中力を欠くシーンが散見されます。チームとして、外国人選手のメンタルケアなどはどのように行われているものなのでしょうか? 厳しく注意したりするのは難しいことなのでしょうか?
岡田:ふたりとも日本でプレーして、もう何年も経つわけやんか。日本の環境に不慣れというわけでもないしな。外国人とか、日本人とか関係なしに、こんな悪態をつく選手は監督がビシッとやらなアカンで。
──むかしは観光気分で来日して、ぬるいプレーでお茶を濁す外国人もいましたが……。グリーンウェルなんてGW前にようやく来日したと思ったら、自打球で足を骨折してさっさと帰国しちゃいましたからねえ(笑)。昨年、鳴り物入りで来日した楽天のユーキリスもケガの治療で帰国したら二度と戻ってきませんでした。
岡田:オレが監督してたときは、外国人選手とのトラブルなんてなかったけどな。みんな真面目だったよ。
今の時代、食べものもなんでもあるし、生活面では何ひとつ不自由ないやん。球団からはいいマンションを用意されるし、家族も呼べる。環境に関しては恵まれてるし、日本の水が合わないから活躍できないなんて言い訳はできない。日本の野球に適応する、しないは個人の能力の問題よ。
──「最近イライラしてたみたいだけど、今日はいいピッチングだったね」と、テレビ中継の監督インタビューで和田監督は腫れ物に触るような遠慮がちなコメントを残していました。
岡田:イライラって……そら試合中にカッとなってエキサイトすることはあるけど、そんな一過性のもんとは違う、もっと根深い問題だよな。
毎日、担当コーチから選手の状態について報告が上がってくる。コーチに的確な指示を出して、精神面を含めて、コンディションを管理せなアカン。無気力なプレーをしたり、悪態をついたりするような精神状態の選手を試合に出すほうが間違ってるよ。はっきり言って監督の操縦ミスやろ、これは。