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世界卓球、日本勢はどう戦っている!?
中3ペアの2人が戦いながら得たもの。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2015/04/30 11:40
中学3年生のペアとなった伊藤美誠(左)と平野美宇。シングルスではともに3回戦へ進出している。
悲願の世界一へ、後半をどう戦うか。
こうした前半戦を振り返ってみると、あらためて、日本代表の特徴が見てとれる大会でもある。長年牽引してきた第一人者が健在の一方で、若手が伸びてきていることだ。
日本卓球界は、1980年代後半から低年齢層にも視野を広げて強化を図り、その後、小学生のナショナルチームも結成するなどして本腰を入れてきた。その成果として、伊藤や平野が象徴するように若い世代の台頭が促されている。それが国内での激しい日本代表争いにもつながり、活性化にもつながっている。
そして国際大会でも着実に結果を残してきた。
女子ではロンドン五輪団体の銀メダル、2014年の東京世界選手権団体銀メダル、男子なら2013年のパリ世界選手権での岸川聖也、水谷隼組の銅メダル、2008年から世界選手権4大会連続での団体銅メダルなどがあげられる。岸川、水谷組が今大会に出られなかったことも、日本代表の今を示しているかもしれない。
悲願としている世界一が、見えない位置ではないところまで来た今日。だからこそ、中国選手など強豪とぶつかる後半戦でどのような戦いぶりを見せられるか、そこで何を得られるかは、その大きな目標へ向けての重要な過程でもある。