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イチロー番22年目の記者に見る、
選手と記者との、理想の信頼関係。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/04/23 11:00
2015年もシーズン開始早々から、その卓越した走塁意識でメジャーの話題となったイチロー。キャンプ中から迫力のある走塁を見せていたのだ。
番記者22年目の取材活動は?
番記者22年目も、充実した取材活動が続いている。キャンプ中イチローのTシャツが話題となれば、朝8時前のクラブハウス入りからマークすることもある。練習が始まれば、他の記者たちと共にグラウンドの外から見守り、オープン戦になればプレスボックスで、あるいはスタンドの立ち見席に交じり、観客の反応を体感しながら取材をする。頃合いを見計らってロッカールームに赴き、チームメイトやコーチ、現地の記者から英語で情報を集めつつ、イチローに質問をぶつけていく(メジャーリーグでは、ロッカールームでの記者の取材が認められている)。
繰り返し、といえば、その繰り返し。
しかし、イチローが「同じボールなんて2度と来ない」と話すように、日々同じプレーは何一つなく、日々同じ記事も存在しない。
現場にいて感じたことだが、イチローと小西さんの間には、なんとも不思議な信頼関係が築かれているように思えた。
双方が前に進みつづけられるような、選手と記者との関係。
イチローはNumber876号掲載のロングインタビューで、こんな言葉を残している。
「とても大切な存在ではありますが、基本的にはメディアのことは敵だと思ったほうがいい。記者を育てるような選手でいなくては双方が前に進むことはできません」
「敵」という刺激的な言葉に目を奪われてしまいがちだが、ここでは「双方が前に進むことはできません」というフレーズに注目したい。
双方が前に進みつづけられるような、選手と記者との関係。
まさにその理想の関係を、ともにその世界のプロ中のプロであるイチローと小西さんは築いているのではないだろうか。
プロ同士、イチローと小西さんの勝負は、今日も続いている。
どんな球場でも見られるシーンなのに、イチローがその輪の中に加わっていることで大きな驚きを感じた、「あるシーン」とは?
現地記者の一人(女性)が、イチローの持ち物で「最もクール」だと思っている、ある機械とは?
そして小西さんが、今季、イチローに聞いてみたいけど「本人には聞けそうにない」と思っている質問とは?
イチローの2015年キャンプレポート本編「ユルく、楽しく、イチローらしく」は、Number876号でお読みください。