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岡田彰布が語る、阪神の補強失敗。
「現有戦力でも優勝は十分狙えるよ」
posted2015/01/06 16:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「野球の神髄~岡田彰布の直言~」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
【1】 世代間のギャップをいかにして埋めるべきか?
~「イマドキの若い選手」操縦術~
【2】 自民党が提言したプロ野球による成長戦略とはなんだったのか。
~岡田彰布流プロ野球構造改革~
【3】 読者の質問に「そら答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【1】 世代間のギャップをいかにして埋めるべきか?
~「イマドキの若い選手」操縦術~
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──阪神はFAを宣言した鳥谷以外の全選手が契約更改し、来季の戦力がほぼ見えてきました。阪神が獲得に乗り出していた中島裕之はオリックスに入団、金子千尋もオリックスに残留ということになり、今季とほぼ同じ顔ぶれで来季は戦うことになります。
岡田:オレはもともと補強よりも育成に力を入れるべきという意見だし、現有戦力でも十分優勝はねらえると思ってるよ。
──2月1日のキャンプインが待ち遠しいですね……。ストーブリーグもひと段落したこの時期は阪神のネタも枯れ気味なんですが、チームのマネージメントについて読者の方から興味深い質問が届いております。
岡田監督が火中の栗を拾うが如くオリックスの監督に就任され、思った事はハッキリ言う、言いにくそうな事も敢えて言う、この作業の積み重ねが今年の躍進の土台を作ったように思います。'90年代終盤に野村監督がタイガースで経験した苦労と重なって、我々ファンには映ります。ところで、森脇現オリックス監督が実践している、決して選手を責めない手法、全責任を負うというコメントの繰り返し、現代風コーチング、といったマネージメントをどう感じられますか? 今後、岡田監督が現場復帰された場合、更に現役選手との世代間、感覚格差は拡大しているはずで、そういったメンタル面にも考えを寄せられますか? 失礼な質問にあたるかもしれません。申し訳ありません。
(アマゴルファー猿さん)
──「若いもんが何を考えてるかわからない」ということは、いつの時代にもいわれているセリフではあります(笑)。
岡田:オレが若いころにもいわれたことやな(笑)。世代間の格差はあって当然だし、そういうもんだと思って接するしかないわなあ。
たしかにオリックスの監督のときは、野球のことに関しては厳しく言ったけど、それはプロとしてやるべきことをやっていないから、できていないからやで。しっかりしてたら何も言わないよ。言わないと分からんのやから。
最近の若い選手は萎縮するのが多いと感じたな。
──プライベートに干渉したわけでもないでしょうし。
岡田:そらそうよ。もちろん個人的な問題が野球に影響するようではアカンけど、自由にしたらええ。オレが言うてたのはあくまでも野球のことやし、そこを指導するのが監督の仕事だからな。
でも、アレやな。オレが若いころは、監督やコーチにボロクソ言われても、内心では「黙っとけ! 絶対に打ってやるぞ!」と反発しとったけど、最近の若い選手は萎縮するのが多いとオリックスでは感じたな。怒られることに慣れていないというかな。シュンとしてしまって、逆に「なんでこんな反応するんや?」と戸惑ったこともあったよな。
──子供のころから競争を勝ち抜いてきたプロの選手でも、そんな反応ですか。
岡田:そうなんよ。会社の新入社員も、そうなんちゃう?
──しかし、そういった「イマドキの若いもん」を束ねていかなくてはいけない。
岡田:選手それぞれの個性に合わせて、言葉の選び方や接し方を変えなアカン。反骨心を利用したほうがいいやつもおるし、逆もまたしかり。指導者の側も人間的な引き出しを増やさないといけないというのはあるわな。
しかし、選手の気質が変わってきたというのもあるだろうけど、チームというのはそれだけで強くなるわけではないよ。口やかましく言わんでも選手が動いてくれる、強いチームになるためには、監督、コーチ、フロント……全員がひとつの方向に向いて動いていかないと。そういった環境をつくるのも監督の仕事ではあるんやけど……。
──現場とフロントが一丸にならないとチームは強くならない。
岡田:そういうことやな。チームを改革すると口でいうのは簡単だけど、ひと筋縄ではいかんということよ。