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ファーストサーブと「5~9打」。
錦織圭の強さを示す2つのデータ。
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![生島淳](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/4/-/img_746f83dd4814ce9e272d231112e07dfb3376.jpg)
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2014/11/14 16:30
![ファーストサーブと「5~9打」。錦織圭の強さを示す2つのデータ。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/7/350/img_6753bac10d259fc06ca586e2b81e588a244544.jpg)
ファーストサーブをテンポよく決め、ネットにも果敢に詰めた錦織圭。歴代最高のファイナルセットでの勝率を誇る粘り強さは、この日も発揮された。
5~9打のラリーで圧勝した錦織圭。
そしてもうひとつ、「粘着系」のフェレールに対して、早めにポイントを取るのは非常に重要になる。体力の消耗を防げるだけでなく、自分のリズムで試合を進められる。
フェレール戦の打数ごとのポイントを見てみると……。
●5打以下
錦織 47 フェレール 48
●5~9打
錦織 33 フェレール 18
●9打~
錦織 10 フェレール 12
ここから何が読み取れるかというと、5打以下でポイントが取れる場合は、サーブからの流れが多い。
反対に、長期戦、ラリーが2桁に達してしまうと、フェレールの足が生きる。この試合、フェレールの走行距離は2294mもあった(錦織は1811m)。
錦織はラリーが5打以上となり「中盤戦」に入るところで、うまく仕掛けることが出来た。左右に揺さぶるだけではフェレールは拾ってくるので、「前後」という動きを取り入れていたのも憎い。
その結果、錦織のウィナーの数はフェレールの14本に対して、41本もあった。早めの仕掛けの勝利である。
さて、準決勝の相手はジョコビッチになりそうだが、彼は戦略、スキルの面でもバランスの取れたプレーヤーだ。
ラリーの序盤をしのぎ、「5打以上」の混戦に持ち込みたいところだ。
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