濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
新生K-1が65kgトーナメントを開催。
見事に受け継がれた伝統と“らしさ”。
posted2014/11/09 10:50
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
今年、日本に新たなK-1が誕生した。
かつてキックボクシング、K-1で活躍、チームドラゴン代表として数多くの強豪を育成してきた前田憲作がプロデューサーに就任。実行委員会を組織し、運営はKrushを成功させた株式会社グッドルーザーが担当する。
コンセプトは「100年続くK-1」。一時的な盛り上がりではなく、地に足のついた活動をしていくのが狙いだ。そのため、まず新生K-1はオフィシャルジムを開設。第1回大会は高校生トーナメント「K-1甲子園」を中心としたアマチュア大会だった。さらにキッズ部門、ジュニア部門も設け、“気軽にスポーツを楽しむ場”としてのK-1を作り上げようと力を入れてきた。
新生K-1、65kg以下の世界トーナメントを開催。
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そして11月3日、国立代々木競技場第二体育館で初のプロ興行を開催。目玉は65kg以下のチャンピオンを決める世界トーナメントだ。
実は“11.3代々木第二”は、当初Krushのビッグマッチとして発表されていた。それがK-1にスライドし、運営もKrushと同じグッドルーザー。開催発表会見に登場した選手たちもKrushの選手たちばかりだったから、「これではKrushと変わらないんじゃないか」という不安もあった。
だが、選手たちは“K-1”のブランドに敏感だった。いま20代の選手たちは、テレビで見たK-1に憧れて格闘技を始めた世代。Krushが“ホームリング”なら、K-1は“夢に見た場所”ということなのだろう。ワンマッチで大雅とのKrush王者対決を劇的なKOで制した武尊は、初めてK-1で闘った心境をこう語っている。
「入場の時から会場の雰囲気が違いましたね。リングマットの色も、テレビで見ていたのと同じ青で。あぁ、K-1だな、最高だなって」