濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
新生K-1が65kgトーナメントを開催。
見事に受け継がれた伝統と“らしさ”。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2014/11/09 10:50
通常は60kg前後のムエタイルールで戦っているゲーオ・フェアテックス(左)。体重の壁もルールの壁もこの男の前では関係なかった。
格闘技ファンも反応し、超満員札止めに。
マッチメイク自体、Krushでは見られないものが多かった。大雅vs.武尊は階級を超えたKrush王者対決。トーナメントにはキックボクシング・ムエタイで対日本人無敗のゲーオ・フェアテックスが参戦、左右田(そうだ)泰臣はKrushと交流のないRISEのチャンピオンだったが、王座を返上して乗り込んできた。
新鮮で刺激的なカードに、格闘技ファンも反応した。主催者発表による観客動員は4150人(超満員札止め)。当日券を買えなかったファンも多かったという。
トーナメントが進むにつれ、新たなK-1の世界が確立されていく。
そしてトーナメントが進むにつれて、新たなK-1の世界が確立されていくのが分かった。左右田は1回戦でKrushのトップファイターである木村“フィリップ”ミノルをKOし、準決勝では前Krush -65kg級王者のHIROYAに判定勝利を収めている。
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逆ブロックではゲーオが凄まじい強さを見せた。1回戦、Krush -63kg級王者の山崎秀晃を絶妙な“崩し”と左の蹴りで翻弄すると、準決勝では久保優太をカウンターの右フックでKOしたのだ。久保は旧K-1の-63kgトーナメント覇者で、Krushでは-67kg級の初代王者。欧州の団体GLORYの-65kgトーナメントでも優勝している。そんな世界レベルの強豪を、本来は60kg前後で闘っているゲーオがノックアウトしてしまったのだからインパクトは絶大だった。