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EURO予選1勝1分け1敗の“出遅れ”。
世界王者ドイツが抱える2つの難題。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2014/10/22 16:30
ポーランドに初めての敗戦を喫したドイツ。わずか3カ月前に世界の頂点に立ったドイツの覇権は、早くも去ってしまうのか。
「ホントに、ホントに腹立たしいよ!」(ゲッツェ)
思うようにゲームをコントロール出来ないのであれば、経験豊富な選手やチームの心臓となるボランチの選手が上手く舵をとれればいいのだが、その重責を担えるラームもシュバインシュタイガーもクローゼもケディラもいない。
「最後に勝つのはドイツだ」
かつて、そう言われていた代表チームであるのが嘘であるかのように、今は最後に悔しい思いをするのがドイツとなっている。
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アイルランド戦に引き分けたあと、ゲッツェは苛立ちを隠さなかった。
「ホントに、ホントに腹立たしいよ。僕たちが試合に勝つだけの力を持っていることも、チャンスを得ていたことも確かなのに!」
ボアテンクは、怪我人の続出でチャンスを得たのにもかかわらず、“このレベル”の戦いで力を発揮できない若い選手たちに苦言を呈した。
「確かに、今の僕らは若いチームだよ。でも、その若い選手たちはチャンピオンズリーグ(CL)でプレーしてきているんだ。だから、こんなことは許さないよ」
ベッケンバウアー氏は「忍耐が必要」と擁護。
もちろん、怪我人が続出しているという理由以外にも、苦戦を強いられている理由はいくつもある。
例えば、『ビルト』紙は以下のように指摘している。
「我々はW杯決勝の52日後に行なわれた(親善試合の)アルゼンチン戦に、2-4で敗れてしまった。この事実が、世界チャンピオンは倒せるものだというシグナルを他の国々に与えてしまった」
あるいは『キッカー』誌のように、タフなW杯を戦ったあとに新たなシーズンを迎えたことで、身体的にも精神的にも選手たちにダメージが残っているのだと指摘するむきもある。
もっとも、ここまでの戦いだけで、EUROの出場に黄信号が灯るわけでもない。ときおり、辛らつな発言をすることで知られる“皇帝”ベッケンバウアー氏は、ファンに対してこう諭すように呼びかけている。
「忍耐が必要だ。ポーランド戦とアイルランド戦の2試合をもってナーバスになる必要もない。この2試合は我々を起こすモーニングコールのようなものになったと思っているよ」