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なぜ内村航平の士気は下がらないか。
世界選手権で狙う2つの金と“美しさ”。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2014/09/30 10:30

なぜ内村航平の士気は下がらないか。世界選手権で狙う2つの金と“美しさ”。<Number Web> photograph by AFLO

現在25歳、東京五輪を31歳で迎える内村航平。「それまで絶対やめない」というコメントは、国内の他選手にも大きな発奮材料となったはずだ。

東京五輪決定で敷かれた明確な2020年への道。

 さらに、内村の意欲を支えるものはそれだけではない。

 6月のNHK杯でのことだ。

 内村は優勝したものの、ゆかのジャンプでラインを割り、あん馬で落下するミスがあった。大会が終わって、内村は言った。

「偉大な先輩の前でノーミスの演技を見せたかったですが、この借りは2020年の東京五輪で返したいです」

 この大会には50周年を記念して、1964年の東京五輪の体操に出場した選手たちが駆けつけていた。「先輩の前で」と話したのはそのためだったが「2020年」という言葉にも内村の意識が表れていた。

 これまで、内村は何度かこう口にしてきた。

「東京でのオリンピックという目標ができたので」

「ぜひ、自分の演技を見せたいです」

 オリンピックの開催地が東京に決まったとき、2020年が明確な目標として定まった。

 それは、今後の競技人生へのビジョンにも影響を及ぼすことになったし、モチベーションにもなっている。内村の強さを支える力でもある。

アテネ五輪以来となる、団体金メダルへ。

 迎える世界選手権は、個人総合5連覇のかかった大会だが、もう1つ、大きな目標がある。それは団体総合での金メダルだ。アテネ五輪の優勝を最後に、オリンピック、世界選手権を通じて日本は常に中国に敗れ、2位以下に甘んじてきた。団体に出場してきた内村も、その悔しさを味わってきた。肌身に感じてきた。

 だからこそ、団体への気持ちは強い。

「今回の団体は、かなり金メダルに近いチームだと思います。本番では素晴しい演技を見せたいです」

 今大会には主将として挑むが、チームを世界一へと引っ張ろうという意欲がそこにはうかがえた。

 内村は、9月上旬に行なわれた全日本シニア選手権でも優勝し、出場した個人総合では30大会連続優勝となった。

 世界選手権の開幕は目の前に迫った。

 世界一のオールラウンダーは、個人、団体それぞれに決意を抱いて挑む。

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