サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
W杯イヤー始動、ザックが選んだ23人。
“機能しない”3-4-3が持つある効果。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/02/28 11:40
ワールドカップ開幕まで残り3カ月。タイミングとしては既に代表候補を探すというよりもメンバーを23人に絞り込んでいく色合いが強い段階に入っている。ザックのお眼鏡にかなうのは果たしてどんな23人だろうか。
サイドバックと比べて、ボランチはサバイバル。
序列が明確なサイドバックと対照的に、ボランチは試験的な意味合いを残す。キャプテンの離脱によって、最終テストの色彩が濃くなってきた。
昨年11月の欧州遠征に、ザックは5人のボランチを招集している。遠藤保仁、長谷部、山口蛍、細貝萌、高橋秀人だ。
山口、細貝、高橋はボールを奪い取る力に優れる。その一方で、ニュージーランド戦に選出された青山敏弘は、攻撃のスイッチ役となるボランチだ。直接的にゴールへ絡むプレーにも、ここにきて磨きがかかっている。日本代表では遠藤に近い。
同タイプを3人揃えるよりも、違う特徴を持った選手を加えるほうが、戦術的な多様性に富む。5人目のボランチは高橋か、それとも青山か。あるいは、ボランチを4人に絞り込んでアタッカーの選択肢を増やすのか。
イタリア人指揮官の思惑が、ニュージーランド戦から見えてくるはずだ。
ニュージーランド戦では、3-4-3を使ってほしい。
ニュージーランド戦への個人的な期待は──希望と言ったほうがいいかもしれない──、システムである。
3-4-3を使ってほしいのだ。
ベルギー戦からおよそ4カ月ぶりのテストマッチである。「代表でのやりかたを選手たちに復習してもらう。思い出してもらうことが大切だ」とザックが話しているように、ニュージーランド戦は4-2-3-1のなかで個々の役割を呼び覚ますことに主眼が置かれる。置かれるべきだと、個人的にも考える。
しかし視線を外へ向けると、3-4-3を持ち出す意味が浮き彫りになる。
ブラジルW杯で日本と対戦する3カ国は、ニュージーランド戦での日本の映像を手に入れるに違いない。そしてスカウティング材料のひとつに加えるだろう。