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W杯イヤー始動、ザックが選んだ23人。
“機能しない”3-4-3が持つある効果。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/02/28 11:40
ワールドカップ開幕まで残り3カ月。タイミングとしては既に代表候補を探すというよりもメンバーを23人に絞り込んでいく色合いが強い段階に入っている。ザックのお眼鏡にかなうのは果たしてどんな23人だろうか。
改修前の国立に別れを告げるだけでは物足りない。
昨年10月のベラルーシ戦を最後に、ザックは3-4-3を使っていない。0-2から同点へ持ち込んだオランダ戦も、3-2で勝利したベルギー戦も、4-2-3-1からシステムを変更しなかった。
ザックが就任当初からこだわりを持ちながら、いまだオプションに成り得ていない3-4-3にこのタイミングでトライしたら──コートジボワールのサブリ・ラムシ監督は、ギリシャのフェルナンド・サントス監督は、コロンビアのホセ・ペケルマン監督は、表情を曇らせるはずである。4-2-3-1だけでなく、3-4-3の対策を迫られるからだ。
たとえニュージーランド相手に機能しなかったとしても、頭から締め出すことはできない。
自分たちにとって物足りなくても、相手に警戒心を抱かせればオプションを持つことになる。事前の神経戦で優位に立つためにも、3-4-3を見せておく意義はあると思うのだ。改修前の国立競技場に別れを告げるだけでは、ワールドカップの準備として物足りない。