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かっこ悪くても、キヨシにいてほしい!
CSを逃したDeNAの監督辞任騒動。 

text by

村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/09/28 08:02

かっこ悪くても、キヨシにいてほしい!CSを逃したDeNAの監督辞任騒動。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

監督とはとかく批判されるもの。ファンから続投を望む声があがることはそう多くない。中畑監督はその声とどう向き合い、どんな結論を下すのだろう。

目標だった“諦めない野球”は実践できたのか?

「俺はうちのチームが唯一できるのは“諦めない野球”だと思う。だから教育をする。自分勝手は誰であろうと認めない。全力疾走を怠ったり、中途半端なプレーをする奴はすぐに外す。チームなんだから、“自分がチームに対して何をすべきか”を考えていれば、ミスをしたっていいんだよ。積極的なミスはいくらでも許す。それを消極的な負けを認めたような動きをしているから喝を入れるんだよ。(一軍から)切れば初めて危機感・緊張感が生まれる。それを野放しにしていると、善悪が分からなくなるんだよ。その悪玉菌を排除できるかどうかで、来年のチームがどう変わるか決まってくる」

 フロント、現場が翌年のCS出場に向けて共に最高の準備をオフにしなければならない。それぞれが、勝つ為にどれだけの役割を担えるか。

 昨オフのベイスターズは動いた。フロントはブランコ、モーガン、ソト、ソーサなど外国人を獲得し、選手は地獄と謳われた奄美大島の秋季キャンプで限界までやり切った。中畑は奄美の猛練習にも選手たちは倒れながらも最後まで付いてきてくれたことで、いけるという手応えを感じた。

宣言通りにキヨシは「勝」にこだわりつづけた。

 それぞれがそれぞれの責任を果たす。そして、中畑は監督という仕事に対してこんなことを言っている。

「監督という仕事は責任を取ることしかない。勝てば選手、負ければ監督。それでいい。そういうスタイルをずっとブラさないのが、監督には一番大事なことだと思う。それだけでいいじゃない。めんどくさいこといらないよ。この世界は勝てば正義なんだから。悔しいけどな」

 2013年、チームスローガンは「勝」に据えられた。もはや言い逃れのしようがない勝利への並々ならぬ決意は、シーズンの戦いにも見て取れるようになった。

 なかでも、5月10日巨人戦、8月20日阪神戦、8月31日ヤクルト戦は一時7点差あった試合を驚異的な粘りで逆転勝ち。中畑の掲げた“諦めない野球”の姿が垣間見えるようになった。

 一方でシーズン前の宣言通り、結果を残さない選手は容赦なく切って行く。

 5月にはキャプテン石川が二軍に落とされ、後半戦はラミレスさえ二軍に落としたまま。守護神の山口に至ってはごにょごにょごにょ。

【次ページ】 男が出処進退をかけた以上、辞任は当然だが……。

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中畑清
横浜DeNAベイスターズ

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