フットボール“新語録”BACK NUMBER
日本代表のCK対策のカギは、
グアルディオラ流ディフェンス?
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byShinya Kizaki
posted2013/07/13 08:02
トレーニング後の会見では、戦術に関して複数のオプションを準備していると語ったグアルディオラ監督。練習試合でも選手に複数のポジションを経験させ、徐々に戦術を固めていくものとみられる。
長谷部「バルセロナのやり方が参考になるかもしれない」
いまだサッカー界には理想的なCKの守備法は見つかっておらず、マンツーマンにもゾーンにも長所と短所がある。どちらが正解とも言えず、ザッケローニ監督がマンツーマンを採用しているのが悪いというわけではない。ただ、ここまでCKからの失点が多いと、別のやり方をオプションとして模索することは決してマイナスにはならないだろう。
ヨルダン戦後に長谷部は「バルセロナのやり方が参考になるかもしれない」と語っていた(Number 826号掲載)。確かにバルセロナはシャビ、イニエスタ、メッシ、ペドロなど180cm以下の選手が多く、ヘディングが強い選手はピケ、ブスケッツ、プジョルくらいしかいないのに、簡単にCKで失点しない印象がある。
彼らのやり方は組織で守るゾーンだ。平均身長で劣る日本にとって、バルサ流のCKの守備を研究する価値は大いにあるだろう。
バイエルンでもゾーンを採用する、ペップ流CK守備。
そのバルサの礎を築いたペップ・グアルディオラが、今季バイエルン・ミュンヘンの新監督に就任し、7月上旬のイタリア合宿でセットプレーの練習が公開された。バイエルンにおいても、バルサ時代と同様、ゾーンを採用していた。今回はペップ流のCKの守備法をクローズアップしたい。
一口にゾーンと言っても、細かい部分では監督によって違いがあるが、グアルディオラの守備法は以下のようなものだった。
まずは流れの中の基本布陣が重要になるため、それを書こう(コンフェデに出場したダンテ、グスタボ、マルティネスはまだ合流しておらず、ロッベンは合流直後のため別メニュー。アンカーの位置には、下部組織から昇格した17歳のヘイビエルグが入った)。
グアルディオラはこの基本布陣をほぼ維持したまま、CK時のゾーンの並びを作っていた。