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日本代表のCK対策のカギは、
グアルディオラ流ディフェンス? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byShinya Kizaki

posted2013/07/13 08:02

日本代表のCK対策のカギは、グアルディオラ流ディフェンス?<Number Web> photograph by Shinya Kizaki

トレーニング後の会見では、戦術に関して複数のオプションを準備していると語ったグアルディオラ監督。練習試合でも選手に複数のポジションを経験させ、徐々に戦術を固めていくものとみられる。

ただ防ぐだけではなく、奪ったあとの攻撃を考える。

<右からのCKの場合>

<左からのCKの場合>

 ニアサイドのサイドバックを一列前に上げ、そこにセンターフォワードのマンジュキッチ(186cm)を置く。ショートコーナー対策として2列目のうちの2人をペナルティエリアの角あたりに配置し、カウンターを見越してウイングの1人を前線に置く。ただCKを防ぐだけでなく、ボールを奪ったあとの攻撃を重視していることがよくわかる。

 練習で目についたのは、CKを待つ間、グアルディオラがゴール前の選手全員にその場で小刻みにジャンプすることを要求したことだ。いつボールが来ても、素早く高くジャンプできるように、踏み込みの予備動作をしておくためだ。まるでダンスをしているかのようだが、守備範囲を拡げることができるのだろう。

選手の知的好奇心を再び刺激するために。

 また、グアルディオラが激しく要求したのは、ボールを弾き返した後のカウンターだ。なるべくクリアをリベリー(もしくはシャキリ)に合わせ、そこから一気に陣形を前に押し上げて攻撃に転じる。CK時の守備陣形が基本布陣に近い形なので、スムーズに攻撃に移ることができる。

 バイエルンは身長が高い選手がそろっているにもかかわらず、CKの失点が多いことが昨季の課題だった。昨季、ハインケス監督が採用していたのはマンツーマン。ペップ流のゾーンを導入したことで、CKの失点が減ることが期待されている。

 ザッケローニ監督の戦術が浸透し、日本代表はチームとして熟成されつつあるが、同時にマンネリを生んでいる面もある。選手の知的好奇心を再び刺激するためにも、CKの際にゾーンディフェンスをトライすることには意味があるのではないだろうか。

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