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香川真司フィーバー発生中!
ブンデスでスーパースターになる日。
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![ミムラユウスケ](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/8/90/img_6893d8ae37a7803861c2f66790f5844b6144.jpg)
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/09/26 08:00
![香川真司フィーバー発生中!ブンデスでスーパースターになる日。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/700/img_655640de0009c094d33fb08f420a4acc313523.jpg)
神戸牛のカルビにでもたとえれば良いだろうか。
ご飯を何杯でもおかわりできるような存在。平成に神戸で生を授かった香川真司は、ファンだけではなく、四六時中ネタ探しに追われるメディアにとっても救世主なのかもしれない。
9月19日、ドイツ最大のダービーである「レヴィアー・ダービー」で、香川はシャルケから2ゴールを決め、ドルトムントに4シーズンぶりのダービー勝利をもたらした。ダービーの翌日も、翌々日も、ドイツメディアは香川の記事であふれ返っていた。香川のことなら、いくらでも記事が書ける。ほくそえむドイツ人記者の姿が想像できる。
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「極上の寿司」「アジアのロシツキー」「ドルトムントの人気者」「寿司ボンバー」「演出家」など、これまでも数々のニックネームをつけられてきた香川に、新たな称号が与えられた。
“Derbyheld”である。
ダービーの翌日、「ルール・ナハリヒテン」紙は伝えた。
「9月19日、シンジ・カガワはついにDerbyheldになったのだ」
Derby(ダービー)に、Heldという名詞をくっつけたものである。Heldとは、「ヒーロー」あるいは「英雄」という意味になる。試合の翌日には漢字や日本語について調べる時間がなかったのだろう。試合の翌々日になって、「ルール・ナハリヒテン」紙に、カタカナと漢字で「ダービー覇者」という、少しだけ不自然な日本語の見出しが躍った。
メディアの評価も上々で、週間ベストイレブンにも選出。
各メディアの採点も上々だった。
1が最高点、6が最低点を表すドイツでは、点数が小さければ小さいほど、高く評価されていることを意味する。各紙誌の評価は以下の通りだ。
キッカー誌 1
ビルト紙 1
WR紙 1
レヴィアー・スポーツ紙 1
ルール・ナハリヒテン紙 1.5
さらに、週間ベストイレブンを発表していない「WR」紙を除く、すべてのメディアが香川を週間ベストイレブンに選出している。
とりわけ高い評価を与えているのは、ドイツの老舗スポーツ誌「キッカー」だ。同誌が香川をベストイレブンに選んだのはこれで2回目。第2節シュツットガルト戦に続いて香川をマン・オブ・ザ・マッチにも選出した。同誌のフィールドプレーヤーの平均採点ランキングでも香川には2がつけられ、ランキング表の一番上に名を連ねている。