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香川真司フィーバー発生中!
ブンデスでスーパースターになる日。
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/09/26 08:00

移籍金の投資分はすでに回収。会長もその活躍にご満悦。
ダービー1週間前のヴォルフスブルク戦でも興味深いエピソードがあった。今季からヴォルフスブルクに加わったジエゴと、香川とのトップ下対決が注目を集めた一戦。試合が終わると、ドルトムントのワツケ会長は選手のロッカールームにかけつけた。
「おい、マスコミとヴォルフスブルクの連中に向けて言ってやったぞ。『シンジ・カガワとジエゴのどちらがお買い得なのかは明らかだろう。もちろん、ピッチ上のパフォーマンスでもシンジのほうが優れていた!!』」
ドイツ中のメディアがこの発言を一斉に報じたのは言うまでもない。ちなみに、この頃までは香川の移籍金について「バーゲン価格」と評されていたが、ダービーを終えた今では「チップ」と言われるようになった。移籍金を何倍も上回るだけの活躍を見せているということだ。
「シンジを取り巻くあらゆる状況はポジティブ」と代理人は太鼓判。
メディアの影響もあるのだろうか、ファンからの評価もまたうなぎ登りだ。23番がプリントされた香川のユニフォームはファンショップの売れ筋商品になり、早々に売り切れてしまった。
「ラララ~、ラララ~、カガワ、シンジ!」という香川の応援コールも、定番になった。香川の移籍に尽力した、ドイツのトーマス・クロート代理人は、その理由を説明する。
「プレーが素晴らしいのはもちろんだが、それだけではない。シンジはちょっとしたジョークも言うから、ファンは彼のことが好きになるし、シンパシーを覚えるんだ。シンジを取り巻くあらゆる状況はポジティブだよ」
ダービー翌日のこと、次々とやってくるドイツメディアの取材を「ダービーの英雄」として答え終えた香川に、シュネック広報部長が歩み寄った。
「シンジ、君への取材のオファーが殺到しているんだ。週に2回のペースで試合が続くから大変だろうけど……木曜日だけでいい! 取材を受けてくれるかい?」
ドイツ中に鳴り響くKAGAWA協奏曲は、止みそうにない。
