日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
岡田ジャパンより進化していた!!
パラグアイ戦に見る次世代スタイル。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/09/06 11:50
長友がセリエAで学んだメンタルコントロールとは?
前半45分には森本、そして後半30分には岡崎に向けての点で合わせる絶妙なクロスは、ゴールのにおいを感じさせるものだった。
「クロスはいいタイミングで上げることができるようになったし、きょうは森本や岡崎がいいところで入ってきてくれた、というのもあります。イタリアではセットプレーの練習でも蹴らせてもらっているし、キックの精度が徐々に高くなっている実感はある」
また、長友はセリエAで学んだメンタルコントロールを取り入れて試合に臨んだことも口にしている。
「セリエAでは試合前に選手たちが凄く集中していて、そこは学ぶべきところでもありました。自分のアドレナリンを試合で出すためにはそういったメンタルのトレーニングが必要だと感じたし、きょうも試合の前に自分の世界に入るというか、モチベーションを上げてアドレナリンを出すようにしたんです。岡田さんから学んだサムライ魂は持っていないといけないし、やっぱりメンタルで戦えないといいパフォーマンスは出せないと思う」
W杯を経験した選手全員がレベルアップを果たしていた!
W杯を経験して世界と戦ったことで、長友は自己のレベルアップに対してより貪欲になった。自分に何が足りないか、何を活かすべきか、はっきりと見えてきたからであろう。
おそらくそれは長友だけでなく、本田にしても岡崎にしてもW杯を戦った選手たちは同じ思いに違いない。
長友や本田、岡崎の北京五輪世代が4年後には28歳を迎え、ブラジルW杯の中心になる。その下にいる内田篤人や香川真司らを含め、若手と言われてきた彼らの世代の妥協なき取り組みが、日本をレベルアップさせるカギを握ってくる。
岡田ジャパンの財産を踏まえたうえで、ザッケローニがチームを進化させ、選手各々がレベルアップを図る。ベスト16を超えるための新たな戦いは、もう始まっている。