WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
充実のリリーフ陣で3連覇に挑む――。
侍ジャパン、勝利の方程式はコレだ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/03/01 10:31
侍ジャパン、充実のリリーフ陣。写真左から今村猛、森福允彦、大隣憲司、攝津正。連日ブルペンで精力的に投げ込みをこなす。
エースだけに頼らず、投手陣全員で勝ちに行く野球を!
国際大会は1つの失投が命取りとなる。万全ではない投手の一番の危険性はボールのばらつきであり、いいボールと悪いボールが混在することである。いいボールをみると「使える」と思いがちだが、実戦での「悪いボール」は命取りになりかねないし、少なくとも豪州戦までの田中と前田は「悪いボール」の占める割合が多かった。
そこは状態のいい、失投の少ない投手の方が、実は頼りになるということなのだ。
田中や前田を先発から外して、もし負けたときには非難の嵐が巻き起こるかもしれない。ただ、今回は過去の松坂大輔や上原浩治、岩隈久志のような絶対エースの力に頼るのではなく、勝ち上がっていけば勝ち上がっていくほどに投手陣として、全員で白星をもぎ取っていくというのが日本のスタイルのような気もする。
それができる質と量のリリーフ陣が揃っている。それこそが日本の最大の武器なのである。
日本代表の勝ちイメージ……「3対2」の意味。
3対2――。
これが日本の勝ちイメージだ。
決して大量点は期待できない。だから打線は何とか3点を取ることに全力を注ぐ。そのためには1本の安打、1つの四球をいかに大事に使ってバントや足をからめた攻撃で点に結びつけるかだ。そこに相手のミスが絡めば3点が4点になり、豪州戦のような大量点にもつながる。
ただ、やはり打線の原点は最初の3点をどうとるかなのである。
そして投手陣は相手を何とか2点に抑える。
そのためにはもちろんバックの守りも大きなカギとなるはずなので、やはり打線は守り重視で編成すべきなのだ。
打てないから何とかするのではなく、打てなくても大丈夫なチーム戦略をどうイメージできるか。
現時点ではそれが山本監督以下の首脳陣の考えるべき戦略だと思う。