WBC 侍ジャパンの道BACK NUMBER
充実のリリーフ陣で3連覇に挑む――。
侍ジャパン、勝利の方程式はコレだ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2013/03/01 10:31
侍ジャパン、充実のリリーフ陣。写真左から今村猛、森福允彦、大隣憲司、攝津正。連日ブルペンで精力的に投げ込みをこなす。
不安だらけの開幕である。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇を目指す日本代表の第1ラウンド初戦となるブラジル戦は3月2日、ヤフオクドームでいよいよプレーボールとなる。
2月15日の代表候補招集から約半月。山本浩二監督率いる日本代表はメンバーの絞り込みから選手個々、チームとしての仕上がりという部分で、開幕直前となったいまも、まだかなりの不安を残した状態にあるのは否めないだろう。
ただ、試合は始まり、否が応でも一歩を踏み出さなければならないところまできた。
確かに現在の侍打線の状態は決していいとはいえない。
ただ、打線は水ものである。
いつ打線が爆発するかは、要は相手投手次第という部分が大きい。いい投手がくればなかなか打てないが、相手の投手力が落ちれば打つ。そのことは豪州との壮行試合でも、二線級の投手が出てきた2戦目の爆発が証明している。その反面、これからいくら打線が好調になったとしても、相手投手に乾坤一擲のピッチングをされたらそうは点をとれない。
それが野球というものなのである。
最大の武器であるリリーフ陣で、いかに守り勝つかを考えるべき。
ならばこういうときに一番、大切なことは何なのか。打てない、打てないとネガティブに考えるのではなく、ポジティブ思考でいかに自分たちのプラス面を前面に押し出して戦えるかだろう。
そして戦略的に考えなければならないことは一つで、打てない打線を何とかすることではなく、いかに守り勝つ野球をやるか。
当たり前だが、それが侍ジャパンのポジティブシンキングであるはずだ。
宮崎での合宿からその後の強化試合を通じて、日本代表の最大の武器と感じるのはリリーフ投手陣の充実である。
左の森福允彦、山口鉄也、大隣憲司に右の牧田和久と攝津正、今村猛。この6投手は滑ると言われるメジャー球も手について、仕上がりもいい。普段のシーズン中と同じレベルのピッチングが出来ているということだ。
ならばこれからの戦いは、この“武器”をどうフル活用していくかではないだろうか。