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F1史に燦然と輝く南ア・グランプリ。
サッカーW杯とF1の意外な接点とは? 

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西山平夫

西山平夫Hirao Nishiyama

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photograph byAP/AFLO

posted2010/07/02 10:30

F1史に燦然と輝く南ア・グランプリ。サッカーW杯とF1の意外な接点とは?<Number Web> photograph by AP/AFLO

1960年代からF1グランプリを開催していた南アフリカのキャラミ・サーキット。写真は第2回南アGPとなる1968年。優勝したのはスコットランド出身のジム・クラーク。この4カ月後にドイツGPで帰らぬ人となった、F1史において不世出の天才ドライバーである

「ウチの前で人が撃ち殺されましてねぇ」と談笑する。

 そういえば立派な日本食屋さんも当時数軒あり、その一軒に入って天麩羅定食を頼んだら、笑顔を絶やさない愛想のいいご主人が「一昨日ウチの前で人が撃ち殺されましてねぇ」と、時候の挨拶のような口ぶりでサラリと言ってきた。治安は悪いがアフリカ大陸きってのビジネス都市で、日本食屋さんが数軒営業できるほど日本企業が進出していたのだ。

 さて、ワールドカップである。

 F1との共通項は南アフリカ開催という、それだけと言うなかれ。

 実は6月末(6月28日現在)決勝トーナメントに残っている国々を見ると、アルゼンチン、ブラジル、スペイン、ドイツ、日本などF1に伝統がある国がけっこう多いではないか。

サッカー大国はF1大国でもあるのだ!

 アルゼンチンはF1世界チャンピオン5回のJ-M・ファンジオ、名手C・ロイテマンを輩出しているし、ブラジルはE・フィッティパルディ、A・セナを、スペインはF・アロンソを、ドイツはM・シューマッハーを生んだ国である。

 日本は小林可夢偉ひとりでは力不足の感もあるが、日本チームがデンマークを破り決勝トーナメント進出を決めた週末には、ヨーロッパ(バレンシア)で7位入賞を果たしている。そしてこのレースで勝ったのがドイツのベッテル(なんの因果かサッカー同様、イングランドのハミルトンとバトンを抑え込んでの優勝だ)。地元スペインのアロンソはこのレース不発。同じフェラーリでブラジル人のマッサも右倣え。マッサと同郷で先輩格となるバリチェロが非力なウイリアムズで殊勲の4位入賞を果たしたが、これはブラジルのベスト4止まりの暗示ではないか。

 そうこう想像をたくましくすると、南アフリカW杯を制するのはドイツとみたが、あまりにも強引な“結論”ゆえに……F1ライターのお里が知れてしまうなぁ。

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