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<Number読者が選ぶ> ボクシング、伝説の激闘ベスト20!(国内編)
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/12/07 10:30
時代を越えて生き続ける……名勝負トップ3!
薬師寺保栄×辰吉丈一郎 (12回判定/1994年12月4日)
試合前からの舌戦、両者のコントラスト、試合内容、舞台設定、その全てが一級のエンターテインメントとしての要素を兼ね備えている。(40代)
序盤の辰吉の華麗なボクシングが徐々に薬師寺によって崩されてゆく“崩壊のドラマ”でもある。非常にストーリー性豊かな内容だった。(40代)
50連発のパンチで仕留めると言っていた辰吉に対して、愚直にガードを固めてジャブとワンツーという基本で対抗した薬師寺。結果、基本の徹底が勝利を収めるという、世間に勇気を与える薬師寺の勝利でした。(40代)
文句なし。この一戦に尽きると思います。最終ラウンドの打ち合い、気がつくと拳を握りながら立ち上がっていた中学生の僕。結果なんて判定なんてどうでも良かった。最高の試合でした。(30代)
テレビ放送の翌日、体育の授業が、先生が録画した試合のビデオを見る時間になった。これほど盛り上がった試合はない。(30代)
圧倒的有利と言われ、自身も応援していた辰吉の敗戦は、翌日の仕事を休みたくなるほどのショックだった。(30代)
すべてが印象的だった。特に試合後、控室でのインタビューで辰吉が潔く負けを認め、その後子供を抱きながら泣き崩れたシーンは忘れられない。(30代)
高橋ナオト×マーク堀越 (9回KO/1989年1月22日)
これぞ「The Boxing」でしょう!お互い死力を尽くした攻防、打ちつ打たれつ、でも決して諦めない魂と魂のぶつかり合い。特に高橋ナオトが完全にグロッキー状態になってからの逆転劇は鳥肌ものでした。(50代)
漫画『はじめの一歩』はこの試合が原点。絶体絶命のピンチから、ナオトが放った右クロスに興奮のるつぼとなる後楽園ホール。鳴りやまないナオトコール。何もかもが最高!(40代)
超一級の名勝負。ホール北側に座っていた私は、ただただその魅力に打ち震えていた。フィニッシュ、フェイントからの右ストレートが、その鮮烈さゆえにテレビ画面に収まっていない。その分、記憶の中に燦然と光り輝く。(50代)
長年ボクシングを見ているが、感動して号泣したのは唯一この試合。世界戦でないからこそ、後世に語り継ぎたい試合。(40代)
日本タイトルマッチでは異例の日曜午後の生中継。お客さんの興奮でカメラが揺れていたのが印象的です。(40代)
当時、教師として教壇に立った1年目で、感動のあまりこの試合を授業で見せてしまった。(40代)
平成になって2週間かそこらだったのに「これぞ平成のベストバウト!」と言った人がいたとか。20年以上経った現在、その評価は間違っていないと思う。(50代)
畑山隆則×坂本博之 (10回KO/2000年10月11日)
WBAライト級王者を獲得した畑山がその勝利のリング上から、「次は坂本さんとやります!」と宣言して実現した試合。最後は坂本の再三の左ボディに耐えきった畑山が右フック一閃、まさに「肉を切らせて、骨を断つ!」を実践した見事な試合でした。(50代)
ファイタータイプの坂本に、足を止めて打ち合った畑山。リングサイドの「アウトボクシングで行け」の指示に一言「うるせぇ!」。ガチンコの打ち合いが10Rも続いた。まさに伝説の試合。(20代)
「名勝負」の重要な要素に「敗者が輝くこと」がある。王者畑山はもちろん、挑戦者坂本が強い光を放った試合だった。(30代)
壮絶な打撃戦の末に訪れた衝撃の結末。喜びを爆発させた後、マットに沈む坂本を見下ろす畑山が見せた感傷的な表情が忘れられない。ボクシングというスポーツの面白さ、奥深さ、そして残酷さが凝縮された一戦だと思う。(30代)
終了後、畑山選手が晴れやかに「とてもいい喧嘩でした!」と言っていたのが印象深い。(30代)
試合後、坂本のファンが帰る事も出来ずに座り込んで泣いていた。あれほど人を熱くさせる選手は出てこないでしょう。(40代)
両手を前に突き出しながらの、坂本のスローモーションのようなKOシーン。最後の昭和ボクサーの最期、だった。(40代)