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<FIFAマスターでの悪戦苦闘の日々> 宮本恒靖 「毎日の授業、必死ですよ」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKai Sawabe
posted2012/11/28 06:01
日本代表の主将まで務め、2度のW杯に出場した男が、
イギリスの地で新たなフィールドへの挑戦を始めている。
スパイクを教科書に持ち換えても、そのスタンスは揺るがない。
元日本人プロサッカー選手として初めてFIFA大学院で学ぶ彼が
改めて学問に向かう、その志と慣れない勉強の日々を語った。
イギリスの地で新たなフィールドへの挑戦を始めている。
スパイクを教科書に持ち換えても、そのスタンスは揺るがない。
元日本人プロサッカー選手として初めてFIFA大学院で学ぶ彼が
改めて学問に向かう、その志と慣れない勉強の日々を語った。
イギリス・レスター。
移民の街、学生の街と言われるように、多国籍の学生たちで溢れている。デ・モントフォート大学内の待ち合わせ場所に宮本恒靖が歩いてきた。学生然とした雰囲気で、キャンパスによく馴染んでいる。現役時代の象徴だった日焼けもなくなった。かなり勉学に勤しんでいるのだろう、いくらか疲れも見える。
「疲れている? テスト勉強大変やったし、今日のテストもメッチャ頭使ったからね」
宮本は、苦笑混じりにそう言った。
昨年12月、現役引退を表明した席上、国際サッカー連盟運営の大学院「FIFAマスター」への進学を発表した。だが、大学院にどんな人が集い、何を学び、何を目指す場所なのか、詳細が今ひとつ分からなかった。渡英して数カ月、宮本はどんな学生生活を送ってきたのだろうか。
「8月に語学から始まって、カリキュラムが本格的にスタートしたのは9月。学生は24カ国から30人が参加して、女性が11人。年齢は23歳から35歳まで。自分が最年長だけど、平均は28、29歳ぐらいかな。元プロサッカー選手は過去12年間で俺だけみたいで、弁護士、元TV局員やコンサルティング会社出身とか色々いて、かなりユニークな集まりやね」