Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
<美女たちの甘くて切ない食生活> バドミントン・潮田玲子の「元気の源」。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAsami Enomoto
posted2011/01/25 06:00
「五輪の前にうちに来た選手は成績よかったんだよ」
「'05年、ジャパンオープンでベスト4に入った時に、小椋と一緒に初めて伺いました。ちょうど陣内さんもお店にいて、『頑張ったね』と声をかけていただいたのがうれしかった。それ以来、大事な試合の前後に行きますが、陣内さんとお話をすると安心できますし、時には厳しいアドバイスもいただき、身が引き締まります。ベスト8に終わった北京五輪の後にも行ったんですけど、お店の方に『五輪の前にうちに来た選手は成績よかったんだよ』って言われましたね。フェンシングの太田(雄貴)選手も食べに来てたみたいで、五輪前に行けばもっと上に行けたかも(笑)」
日本の味が恋しくなるのも当然かもしれない。バドミントンのトップ選手は海外遠征、特に東南アジアへの遠征が多いからだ。
食欲がなくなるほど落ち込んでも、栄養バランスの良い食事を。
「東南アジアでは歯磨きの水もミネラルウォーターを使います。それほど衛生面で十分に気をつけていても、お腹を壊してしまうことがよくある。だから食事に行くにしても、選手同士で情報を交換して、安全で美味しいと評判の店に行ったりします。『食べられるものがあればいいかな』くらいな感じで日本食や中華を食べたりしますけど、ベトナムでは初めて遠征先でレストランを選ぶのが楽しいと思いました。ホーチミンですごく美味しいベトナム料理のお店を発見したんですよ」
去年の暮れには、全日本選手権であと1ポイント取れば混合ダブルス初優勝のはずだったが、そこから逆転負けを喫してしまった。
「負けた後はしばらく、『どうして、あの1点が取れなかったんだろう』と考えない時間はないほど落ち込みました。食欲もなくなったけど、それじゃいけないと思って、簡単にできて食べやすい鍋焼うどんを作って食べました。野菜とお肉を入れて栄養のバランスを心がけたから、ちょっと元気が出ましたね」