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メダル数で測れないもの。
~“中国化”する日本スポーツ界~
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2012/06/05 06:00
中国が最も得意とする競技のひとつ、体操。北京五輪では、男子団体総合、男子個人総合ともに中国に金メダルを譲った。ロンドンでは、内村航平(写真)の個人総合金だけでなく、団体総合金メダルというアテネ五輪の再現を目指す。
オリンピックにおいて、1位から3位の選手に「金銀銅」のメダルを授与すると決まったのは、1907年、オランダのハーグで行なわれたIOC総会だった。彼らの決定によって、オリンピックでは3位までが高い価値を持つことになった。
今では世界中で多くの選手が、オリンピックのメダルを最も価値ある成果として目標にしている。しかし考えてみると、これは当時のIOC委員――ピエール・ド・クーベルタンやスウェーデンのビクトル・バルク将軍が決めた顕彰の方法だ。彼らが「メダルは5位まで」と決めていれば、5位が高い価値を持つことになっていたかも知れないのである。