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“K-1甲子園”に新時代到来!
高校生達が見せた“魅せる”戦い。 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byNorihiro Hashimoto

posted2012/03/25 08:01

“K-1甲子園”に新時代到来!高校生達が見せた“魅せる”戦い。<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

3月17日に後楽園ホールで行なわれた全国高校K-1選手権大会にて、優勝を飾った小川翔(愛知・享栄高校/OISHI GYM/写真右)とプレゼンターを務めた魔裟斗。表彰式で小川は「3年目でやっと勝てました……」と感慨深げに語った。

 3月17日、後楽園ホールで久々の“K-1イベント”が開催された。『全国高校K-1選手権大会』、いわゆる“K-1甲子園”である。立ち技格闘技を学ぶ高校生にとっては、最大の目標ともいえる大会だ。

 昨年秋に行なわれるはずだったこの大会だが、K-1を運営してきたFEGの経営危機もあり、3年生の卒業間際の開催に。今回は実行委員会が主催し、K-1創始者である石井和義氏の組織FIKA(国際K-1連盟)が主管として名を連ねた。FEGは開催にタッチしていない。そのため、この大会が“新K-1”のスタートだと見ることもできる。

 だが今は、そういった“政治”の話は後回しにしたい。出場した高校生ファイターたちのレベルの高さ、彼らが繰り広げた闘いの熱さが素晴らしいものだったからだ。

判定ではなく、あくまでも一本という闘い方。

 大会が大きく動き出したのは、シード選手が登場した2回戦から。鮮やかな動きで“強い勝ち方”をする選手に、別の選手がさらに“強い勝ち方”をする。技あり(ダウン)、一本(KO)の連続で、試合が進むにつれて会場のヴォルテージも上がっていった。

 一回戦で合わせ一本勝ちを収めた仲尾宗一郎から小川翔が右ストレートで一本を奪う。小川は準々決勝でも、松下大紀を左ハイキックで下した。松下も2回戦で飛びヒザ蹴りによる技ありを奪うなど高いポテンシャルを見せたのだが、小川の強さがさらに上回った形だ。準決勝・決勝は判定だった小川だが、決勝ではまたしても左ハイで技ありを奪い、優勝を果たしている。

 圧巻の優勝劇だったというだけでなく、小川をはじめとする上位入賞者の闘いぶりはK-1甲子園に新時代が到来したことを感じさせるものだった。これまでは上位クラスの試合になると判定決着が多かったのだが、今回は“倒す闘い”を志向し、身につけた選手が目立ったのである。

プロアマ混合、“立ち技格闘技のユース大会”。

  K-1甲子園という大会のポイントは、日本的な“部活”ベースではなく、プロアマ混合の“ユース大会”であることだ。出場資格は、格闘技を学んでいる高校生男子であること。

 優勝した小川と準優勝の柴田憂也は、すでにプロデビューを果たしている。小川はキャリア13戦、柴田は5戦。決勝でついた差は、もしかしたらプロでの実績の違いが出たものかもしれない。

 プロのリングでは、勝ち負けはもちろん見せる(魅せる)闘いも要求される。そういう場所で磨かれた力が、プロアマ混合のK-1甲子園で出たと考えられる。

【次ページ】 プロのリングで鍛えられ目指す、高校生の頂点。

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