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7つのアプローチで、
最強バルサの魅力を読み解く。
~“ブーム”を物語る関連本ラッシュ~
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph bySports Graphic Number
posted2012/02/17 06:00
『グアルディオラのサッカー哲学』(写真中央)は、遠藤保仁選手も「最強チームを率いる監督の姿勢に凄く刺激を受けた」と絶賛している
バルサスクール福岡校のコーチによる独自の提言。
また、日本との「比較環境論」に興味がある人には『テクニックはあるが、サッカーが下手な日本人』(村松尚登著)がオススメだ。バルサスクール福岡校でコーチを務める著者の12年間に及ぶ体験記には、スペインサッカーとバルサの強さの秘密、さらに日本サッカーが強くなるための独自の提言がある。本書を読むと、バルサとジョゼ・モウリーニョの意外な共通項も見えてくるから面白い。
そして最後に「組織論」。これはビジュアル的に構成された『Barca 素顔のバルサ』(シャビエー・トラス他著)から感じ取りたい。写真を提供しているのは、クラブの公式スポンサーでもあるテレビ局「TV3」。ちなみに指揮官のグアルディオラは、試合前の選手に見せる“モチベーションビデオ”の制作を同局に依頼しているという。
バルサの魅力は、ピッチ上で相手を圧倒する強さと美しさだけではない。歴史や経営、戦術や育成といった様々な観点に立つと、このクラブが掲げるスローガン「més que un club(単なるクラブ以上の存在)」の意味がよくわかる。