Column from GermanyBACK NUMBER
安藤正純流の2004ランキング。
text by
安藤正純Masazumi Ando
photograph byAFLO
posted2004/12/21 00:00
2ヶ月間のウインターブレーク中、マスコミは話題になるネタを必死に探す苦労を味わう。とくにクリスマスの前後は悲惨だ。選手も監督もバカンスに出かけ、取材先のクラブは職員が一斉にお休み。どこも対応してくれない。今年はアジア遠征があったから何とかネタには困らなかったが、例年担当者はヒイヒイ言って知恵を絞るのである。
そこで生まれた名物企画が、専門誌KIKCERの恒例行事「ランキング」である。シーズン前半戦を振り返り、ポジションごとに、ワールドクラス、インターナショナルクラスなどと選手を評価していくもの。毎節のベストイレブン選考回数や、国際試合での活躍ぶりが基準になっているようだ。12月20日号ではGKのランキングが発表された。これから毎週、DF、MF、FWと続く。GK以外は、ご丁寧にサイドとセンターで細分化している。
ならば、というわけで当コラムでも今回、半期を振り返りドイツサッカーのランキングを発表する(これってアイデアの盗用かな?)。
判断基準は、チームの出来具合、選手のパフォーマンスとも「ネガティブな予想をひっくり返した“ビックリ度”と実績」である。だからちょっと独断と偏見が混じるが、そこはご容赦を。
では、発表します。04年08月以降のベストワンは……、ジャジャ~~ン、クリンスマン監督です。(拍手!)
受賞理由=真のリーダーシップを備えた新監督は何事にも妥協を許さず、大胆な組織改革と若手の起用で見事にチームを再生。ファンに再び大きな夢と希望を与えている。韓国戦で初黒星を喫したが、あれは長旅と連戦の疲れがあったからで、ここでは度外視する。
続いて第2位。バラック選手であります。彼のプレーとポジションは、よくイタリアのトッティと比較されるが、バラックは左右どちらの足でもシュートが打てるし、ヘディングも強い。わがままなプレーは無縁、徹底的にチームの勝利に貢献する。そして何より、相手選手をわざとスパイクで踏みつけたりするようなラフプレーをしない。そしてキレない。どう見たってバラックのほうが選手としてトッティより一枚上である。それでもトッティを支持する人がいたら、もはやミーハーファンと言うしかない。
第3位。ビーレフェルト、ボルフスブルク、ハノーバー、マインツで集団受賞であります。降格候補の呼び声高かったチームの意外な活躍はリーグの順位争いに活を入れてくれた。後期には期待できないので、今のうちに表彰しておきます(笑)。