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フランスメディアもマテラッツィを絶賛。 

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酒巻陽子

酒巻陽子Yoko Sakamaki

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posted2007/01/05 00:00

フランスメディアもマテラッツィを絶賛。<Number Web> photograph by AFLO

 前評判がすこぶる高かったインテル・ミラノが、期待どおりに首位でリーグ前半戦を終えた。第8節のリボルノ戦から、昨季ローマが達成したリーグ記録に並ぶ11連勝という快進撃。加えて2位のローマとの勝ち点差を7に広げたことで、「名門」は遠ざかっていたスクデットへ確かな手応えを感じ始めている。

 背景には「名門」、「一流」というスノッブな要素を捨て、「勝つためならスタイルを気にしない」という心がけ、つまり試合内容が悪くとも勝ち点3を上乗せしていく「結果」を重要視したことがある。追う立場から追われる立場になったことも、選手たちに自信を与えることになった。

 開幕当初は攻撃陣のタレントが過剰で、その起用法が課題と指摘されたものの、アドリアーノの不調とクルツのケガによる戦線離脱で先発の座を得たイブラヒモビッチが、本領を発揮した。恵まれた身体能力とサッカーセンスを持ち、ピッチを縦横無尽に走り回るイブラヒモビッチは、11連勝中6ゴールをあげる活躍。ユベントス時代にはカペッロ監督が危機感さえあらわにした派手なプレースタイルから、泥臭いプレーでも着実に点を重ねる姿勢にスイッチしたことがゴールを呼び寄せている。

 イブラヒモビッチが地味なプレーでぐんぐん調子をあげている一方で、FWに匹敵するド派手なアクションで4ゴールを叩き出し、インテルの11連勝に大きく貢献しているのが“あの”DFマテラッツィ。メッシーナ戦で披露したオーバーヘッドは今季セリエAのベスト5ゴールに選ばれるなど、相手にゴールを割らせない堅守に加え、少ない好機を確実に生かすプレーでマンチーニ采配の貴重な戦力となった。W杯では暴言からジダンの頭突きを受け、イタリア以外では悪童と呼ばれたものの、リーグ戦では大暴れ。16節、17節では重大な局面で決定的なゴールを決めたことから、「マテラッツィなくしてインテルは勝てない」とマスコミも太鼓判を押している。

 「ジダンとのエピソードがかえってマテラッツィにやる気を起こさせた」と、マンチーニ監督もマテラッツィの意欲を歓迎。とりわけマテラッツィに対して嫌悪感を示していたフランスでさえも、このたび『フランスフットボール』誌が「マテラッツィに好感をもとう」という記事を掲載し、「リーグ戦でもゴールを量産」、「ユニセフにも貢献」など、善事を並べてマテラッツィの功績を称えた。

 かつての悪評を払拭したイブラヒモビッチとマテラッツィによる快進撃。各ポジションにレベルの高い選手を備えたインテルが見据えるのは、もはやリーグ優勝しかない。

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