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ブンデスの後半戦を占う。 

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安藤正純

安藤正純Masazumi Ando

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posted2007/01/25 00:00

ブンデスの後半戦を占う。<Number Web> photograph by AFLO

 冬休み中、ブンデスリーガの各チームは後半戦に備えての強化合宿を行なった。中東のドバイとスペイン南部のマルベージャが人気の合宿地だ。再スタート1週間前にドイツに戻り、国内外の格下チームを相手にテストマッチを消化したのだが、ブレーメンとバイエルンの好調ぶりが目立った。ブレーメンは4連勝、バイエルンも無敗でアウェーのハンブルクには2−0で完勝した。しかしブレーメンには新たな不安材料が生まれた。FWクラスニッチが盲腸の手術を受けるため3月末まで欠場となるのだ。バイエルンもダイスラーが引退を発表、ドスサントスはボルフスブルクへレンタル移籍、ポドルスキーはぎっくり腰をやってしまって、準備万端とはいかないようである。

 今季こそはと優勝が期待されるシャルケは、新スポンサーであるロシアのエネルギー企業『ガスプロム』社のお披露目式で冴えない展開を見せてしまった。スポンサーが連れてきた“サンドバッグ”のザンクト・ペテルブルク相手に2−1でやっとの勝利。なんとも情けない。「な〜に、ロシアのことだ。お目出度い席で恥をかかすわけにはいかないので、ガスでも嗅がせてシャルケが勝つように仕掛けたのだろう」という悪い冗談まで飛び交ったほどである。

 若手の成長著しいシュツットガルトは1勝3敗、下位に沈むボルシアMGは4連勝で中国代表を4−0で粉砕した。マインツは5引き分けと一向に上昇する気配がない。このままだと永久契約といえどもクロップ監督の解任が避けられない?ハンブルクはキエフに1−4の大敗。クラブ史上初の2部陥落が現実味を帯びてきた。CLで大恥をかいた第一幕だけで終わらないとは、どこまでファンをハラハラさせる気であろうか。レーバー新監督となったドルトムントもさっぱり。フォーメーションがいまだに決まらないのだ。冬休み中、フォン・ヘーゼン監督の今季限りの退団が決まったビーレフェルトも活気が失われた。人事が混乱しては統制が取れない、の見本である。ドイツの諺『魚は頭から腐る』を思い出してしまう。

 さてここで(希望的観測を含んだ)後半戦の順位予想を。優勝はずばりブレーメン。2位はバイエルン、3位以下はどうでもいいので省略する。前期17試合で47点も取った攻撃力はやはり魅力的。これでもし2位以下だったりしたら、守備偏重の退屈なサッカーが主流になってしまう。そうなってほしくないから、余計にブレーメンには優勝してもらいたいのだ。

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