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小笠原の後任となる三塁手は誰だ?
巨人に必要なプロフェッショナルなGM。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2011/05/31 10:30

小笠原の後任となる三塁手は誰だ?巨人に必要なプロフェッショナルなGM。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

今年61歳になる清武英利氏。育成選手制度やイースタン・リーグのチャレンジ・マッチなど、日本球界全体のシステム改革に携わった敏腕経営者である

松井稼頭央獲得でなぜ巨人は楽天に遅れをとったのか?

 そこで二の矢として考えたのは、メジャーから日本復帰する松井稼頭央内野手の獲得だった(この場合は松井を二塁に脇谷亮太内野手を三塁に起用する腹案もあった)が、こちらは条件面で折り合わず、楽天入りが決まった。

 あの巨人が楽天に条件面で敗れたのには理由がある。すでに編成的には三塁手の後ガマには、新外国人のラスティ・ライアル内野手を考えていたからだった。

 ただ、結果的にはこれが今のチームの低迷の要因となっている。

 ライアルは開幕から1カ月で23試合に出場したが、打率2割1分9厘、0本塁打で、5月13日にファーム落ちしていった。

 開幕からのバッティングをみていれば、よく我慢して使ったといえるだろう。

 不運だったのは、こうした事態を想定した三塁・亀井が、ライアルにとって代わった矢先に、ケガで登録を抹消されてしまったことだった。

 そこで起用した若手のホープ・大田泰示内野手が、とりあえずは頑張っている。このまま花を開かせるようなことになれば、チームの編成としてはむしろ万々歳ということになるわけでもある。

 ただ、ライアルを軸に考えた編成は失敗だった。それが開幕から続くチームの打撃不振の一つの要因なのは疑いがない。補うべきポジションを補えなかったという点で、編成的には大きな反省点を残したことになる。

編成の強化を目指した巨人が新たにとった策。

 だから、というわけではないだろうが、その編成の強化を目指して巨人にゼネラル・マネジャー(GM)という新ポストが誕生することになった。

 ただ、そのGMに就任するのが現球団代表で、今回の新人事でオーナー代行にも就任する清武英利氏だったから、首を傾げたくなってしまった。

 首を傾げたくなった理由は、GMに就任したのが清武代表だったからではない。せっかくGMというポジションを作っても、巨人にとってそのGMとはいったいどういう役職なのか――GM職専任ではなく、代表職とオーナー代行を兼任するのでは、どうにも意味不明だったからである。

【次ページ】 清武代表が新設GM職を兼任するが、その役割は不透明。

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