プロ野球亭日乗BACK NUMBER
小笠原の後任となる三塁手は誰だ?
巨人に必要なプロフェッショナルなGM。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKeiji Ishikawa
posted2011/05/31 10:30
今年61歳になる清武英利氏。育成選手制度やイースタン・リーグのチャレンジ・マッチなど、日本球界全体のシステム改革に携わった敏腕経営者である
清武代表が新設GM職を兼任するが、その役割は不透明。
清武代表はもともと編成本部長を兼務して、巨人の編成面の責任者でもあった。
だからチーム編成という職務では、GM職を作らなくても、これまでとまったく変化はないわけだ。今回のGM新設でただ一つ変わった点と言えば、清武代表がこれまで兼務してきた連盟関係の仕事は、今後は原沢敦副代表に任されることになったという点だった。
同代表は以後、編成の仕事に専念するということだが、GM専任にはならない。
要は編成の専門職を作るべきだという声(原辰徳監督を含めて)に、読売新聞グループ本社が名称だけで作ったGM職という風にとれるところに違和感が広がるのだ。
編成の全責任を負うメジャーのGMは選手以上の年俸を稼ぐ専門職。
編成の仕事は難しい。
どんなにパズルを組み立てても、全部のピースが完全に埋まることは不可能の世界で、それでもピースを探してくることを求められるような仕事なのだ。
メジャーでは、GMはフィールド・マネージャー(監督)と同じように専門職として認知されている。
球団(親会社)から予算のバジェットとチーム編成の基本方針をもらって、その範囲の中で選手を集めてチームを作り、全責任を負う。
その責任は非常に大きい。
だからニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMやボストン・レッドソックスのセオ・エプスタインGMは300万ドルを越える年俸で“契約”するわけである。日本円にすれば3億円前後の契約をしてでも必要なポジションがGMという仕事だということだ。