野球善哉BACK NUMBER
オリックス・坂口智隆にみる、
誇り高き“イチローイズム”。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2009/09/16 12:00
世代交代が遅れるオリックスにとっての一筋の光として。
もっとも、世代交代が遅れている――特に野手陣に外国人を含めた高齢化が進んでいる――オリックスにとっては、坂口の果たす役割は重要である。シーズン序盤から中盤の好調時に形成した、9番・小瀬、1番・坂口、2番・大引の若い世代を並べた打線は、未来のオリックスを支えるであろう新しい形だった。小瀬が調子を落とし、大引は死球による怪我で戦列を離れたが、変わらずにトップパフォーマンスを見せ続けている坂口は、オリックスにとって一筋の光である。
チーム状況に関係なく高いパフォーマンスを発揮したイチロー。
先日、9年連続200本安打を達成したイチローはマリナーズが優勝争いをしていた時期も、低迷していた時期も、常に結果を残し続けた。だからこそ大記録達成がかなったのだろう。
そのイチローと坂口を結び付けるのはちょっと強引かもしれないが、ペナントレースを2位で終えた昨シーズンは142試合に出場し150安打を放ったのに対して、今年は最下位ながら、118試合に出場、137安打を放ち、打率3割をキープしている。
どんな状況であっても、独自のスタイルを貫く坂口のプロフェッショナルな姿勢は、近い将来、日本を代表するプレイヤーとなることを予感させる。少なくとも、私は、そう信じて疑わない。