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J2水戸の経営状態は深刻……。
被災したクラブをどう支援すべきか? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2011/03/24 10:30

J2水戸の経営状態は深刻……。被災したクラブをどう支援すべきか?<Number Web> photograph by AFLO

3月16日、中国で行われたAFCチャンピオンズリーグで、被災した地域へのメッセージを掲げるサポーター

厳しい状況となる被災地のクラブへは資金援助が必要。

 また、Jリーグのクラブにとって、リーグの長期中断は財政的に大きな影響を受ける。

 試合をしなければ、興行による収入が途絶えるからだ。このまま中断が続けば、資金繰りが苦しいクラブは、選手たちへの月々の給料支払いが滞ってしまうかもしれない。

 特に水戸が置かれた状況は厳しい。

 水戸は2009年度の営業収入が、Jリーグで最も少なかったクラブだ。

 2010年度、Jリーグの「スポーツ振興投票対象試合安定開催特別会計」から3000万円の借入れを行なった。だが、2011年1月末の期限までに返済金を用意できず、Jリーグの「公式試合安定開催基金」から3000万円の借入れを行なった。その返済期限は2011年10月となっている。

 今後、Jリーグのクラブによるチャリティーマッチが多く開催されるはずだが、基本的に被災者・被災地支援への寄付となっている。できれば、そのうち何%かを被災地のサッカー復興にまわしてはどうだろうか。

 被災クラブに寄付するためのTシャツやマフラーを販売してもいい。

 2003年、当時ドイツ2部だったザンクト・パウリ(現1部)が財政難に陥ったとき、クラブ救済を訴えた「Retter」(救世主)Tシャツが大ヒットし、計14万枚を売り上げて90万ユーロ(約1億円)の寄付金を生み出したことがあった。

 サッカー文化を地域の財産として考えてもらえれば、被災地のサッカーファミリーを支援する動きがあっても、理解してもらえるのではないだろうか。

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