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FIFA公認代理人制度が今秋廃止へ。
J選手の移籍にはどう影響するのか? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2011/04/10 08:00

FIFA公認代理人制度が今秋廃止へ。J選手の移籍にはどう影響するのか?<Number Web> photograph by Getty Images

公認代理人制度廃止の方向へ舵を切ったFIFAのブラッター会長。6月のFIFA総会で行なわれる次期会長選にも立候補を表明した

 いよいよFIFA公認代理人の廃止が、現実のものになってきた。

 これまでFIFA公認代理人の試験は、各国のサッカー協会がそれぞれの国で代行して開催してきた。15問をFIFAが、5問を各国のサッカー協会が作成し、14問正解すれば合格というテストだ。すべて3択ではあるが難問が多く、日本では1度で受かるのは難しいと言われてきた。

 しかし、今年3月に予定されていた代理人試験を、日本サッカー協会は実施しなかった。FIFAが今年の秋をメドに、代理人制度を廃止することがほぼ確実になっているからだ。

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 もともとFIFAが公認代理人制度を作ったのは、国際移籍におけるトラブルを減らそうと考えたからだ。だが、非公認の代理人は一向に減らず、結局、国外移籍の約7割をライセンスを持たない人間が行なっていることを昨年10月にBBCが報じた。

 祖母井秀隆氏(現京都サンガGM)がフランスのグルノーブルのGMを務めていたとき、こんなことを言っていたことがある。

「毎日のように代理人と名乗る人間からクラブに売り込みがあって、直接会わなきゃいけないことがある。その前に僕は必ず、スタッフに訊くんです。今日会う代理人は、良い方(FIFA公認代理人)? 悪い方(非公認代理人)? って(笑)」

テストの“模範解答”の値段は2000ユーロ(約23万円)!?

 また、テスト自体に不正があることもわかってきた。

 ドイツのキッカー誌は独自の調査により、FIFA公認代理人試験の解答を購入できることを突き止めた。値段は2000ユーロ(約23万円)。記者が受験者に成りすまして入金したところ、試験の3時間前に携帯メールでFIFA作成分の問題(15問)の答えが送られてきた。14問に正解すればいいので、15問の答えがあれば十分だ。

 記者は問題の意味はチンプンカンプンだったが、携帯メールどおりに3択を選んだら見事合格。昨年の10月末、その顛末をすべて誌面で暴露した。

 ライセンスを持たない人間が約7割の移籍に携わり、公認代理人の中には“カンニング”した可能性がある人間もいる(もちろん日本では、こんな不正はありえないだろうが)。これではFIFAが代理人制度を廃止したくなるのも当然だろう。

【次ページ】 代理人制度廃止は選手にとってメリットばかりではない。

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