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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
「上谷沙弥、バカだなあ…」女子プロレス“非情な敗者引退マッチ”の結末は? 涙の中野たむが語る“意外な本音”「勝ったら、私にあと3年ください」
text by

原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2025/04/19 17:10

4月27日、横浜アリーナで“敗者引退マッチ”に臨む中野たむ。大一番を前に心境を語った
「たむは上谷を辞めさせたいわけじゃない」
4月6日、地元・愛知県安城市での興行があった。AEWに行く白川未奈の日本ラストマッチも行われた。中野はかつてのコズエンのメンバー、ウナギ・サヤカ、安納サオリとトリオを組んだ。
「一人はAEWに行って、一人は両国国技館で自主興行やって。こんなユニットないですよね。自慢のユニットです。あんなに二人とも、ダメだったのに。心配だよ、絶対勝ってね、中野たむがいるからスターダム好きなんだよ、辞めないでねって言ってもらった。みんなを不安にさせてしまった分、自分がちゃんと愛を返していかないと」
安納とはその前の4月2日に後楽園でシングルマッチを戦った。
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「サオリちゃんとのシングルもあった。私、強くなったでしょう。とんでもなく。だって、デビュー戦(2016年7月18日)の相手ですから。逆エビで負けてるんで。8年、9年ぶり? まだ、靴跡が顔に残っています。ファンデーションで消すの大変。安納サオリと向き合うというのは、自分の9年と向き合うこと。自分が何をしてきたかが露呈してしまうから、すごく特別でした。サオリちゃんが言ってくれたんです。『たむと戦えてよかった。こんな試合がしたかったんや』って。自信になりました。私のプロレスって強いんだ。中野たむって強いんだ。間違ったことしてこなかった。戦ってよかった」
中野に筆者が思っていることをぶつけた。「上谷が負けても『引退しない』と言ったらどうするか」と。
「私は人を信じるので。でも、そう言われると、そうですね……。辞めないパターンもあるのかな。今の上谷だったら、何でもありですね。そしたら、引退よりもっと大きいものをかけるということですか?」
上谷のいる悪の世界では真っ当な論理は通用しないのではないか。そう考えるのも、逆に自然なことのように思える。
「じゃあ、もしそうなら上谷が格好つけているだけってことですか」
仮に負けたとしても上谷がすんなりそのまま終わるのかという疑問が、みんなの頭の中にあるのは事実だ。
「もし、上谷がそんなことを言い出すなら、いいですよ。何度でも挑戦受けてやってもいい。たむは上谷を辞めさせたいわけじゃない。でも勝者がいれば、敗者がいるから。私は赤いベルトを取り戻したい。私はスターダムのトップに立って、スターダムを引っ張っていくのが、自分でありたい。そのためには、上谷を……うーん、うまく言えないな。なんて言えばいいんだろう。中野たむは上谷のトラウマになりたいんですかね」