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「こんな選手初めて見た…」女子ゴルフ新星・竹田麗央って何がスゴい? “悔し涙”から1年足らず…シャイな21歳、野球好きで「山下舜平大推し」
posted2025/03/12 11:02

米ツアー本格参戦5戦目で優勝を飾った竹田麗央(21歳)。日米共催となった昨年の「TOTOジャパンクラシック」に続く米女子ツアー2勝目となる
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田中宏治Koji Tanaka
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Getty Images
シーズン開幕からわずか5試合目、中国で開催された米女子ツアー「ブルーベイLPGA」で日本の年間女王・竹田麗央が2位に6打差の圧勝劇を見せた。昨年11月に日米共催の「TOTOジャパンクラシック」を制した資格で今季から米女子ツアーに本格参戦しており、早くもツアー2勝目。あと一歩で初優勝を逃がし、悔し涙を見せたあの日から1年足らずで、一気にワールドクラスに上り詰めた。
記者が驚かされた敗者の表情
こんな未来を見据えていたのだろうか――。
思い出されるのは昨年3月の「ヤマハレディース葛城オープン」での姿だ。後続に3打差の首位で迎えた最終日、竹田はスコアを落とし、オフに一緒に合宿をした5歳上の小祝さくらに1打差で優勝をさらわれる。ラウンド後はそんな悔しさの中でも、いつものように報道陣の前に姿を見せ、目にいっぱいの涙をためながら、気丈に取材に応じた。
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泣き崩れて言葉にならない選手、落ち着くまでロッカールームなどにこもって出てこない選手、反対にこちらが拍子抜けするほどあっけらかんと振る舞う選手など、惜敗の直後のさまざまな姿を見てきたが、溢れんばかりの涙を拭うことも、俯くこともなく、ただ真っ直ぐに正面を見据えていたのは竹田が初めてだった。
その後の飛躍を想像することはできなかったが、それまで抱いていたおっとりしたイメージとは別の芯の強さのようなものは感じられた。
雪辱の機会はすぐに訪れる。21歳の誕生日(4月2日)を挟んで迎えた2週間後の「KKT杯バンテリンレディス」では最終日に2打差を逆転し、地元・熊本で初優勝。次戦の「フジサンケイレディス」で2週連続優勝を飾った。勢いはシーズン終盤まで衰えることなく、年間8勝の圧巻の強さで日本ツアーの年間女王に輝く。あの涙も、今回の中国での米女子ツアー2勝目も、すべてが1年弱の出来事。あり得ないほどのスピードで物語は進行している。