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「甘い世界では…」日本代表“クロスのシュート率が低い問題”解決策となれるFW小川航基だが「悔しさの方が」なぜインタビューで本音を激白したか
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ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byPro Shots/AFLO
posted2025/03/27 11:50

2024年、日本代表でもオランダでもゴールを量産した小川航基。本人に思いを聞いた
「代表に選ばれて、W杯で得点を取ること」
ただ、熱を帯びた夢を掲げる一方で、それで満足してはいけないと自分に言い聞かせられる冷静さも持ち合わせていた。
「明確な目標を立てたからといって、それが達成できるなんて思ってはいなかったです。そんな甘い世界ではないので。ただ、そういう風に考えないと、どこを目指し、何をするべきかがわからなくなります。大事なのは、目標からの逆算だと思うので。Jリーグでたくさん点を取って、海外に出ていく。そのために何が必要かを逆算してトレーニングしてきました」
日本代表8戦6発、オランダで7ゴールだが…
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そんな小川は、2024年の日本代表で圧倒的な数字を残した。
2019年に国内組だけで参加したE-1選手権(旧東アジア選手権)で代表デビューこそ果たしていたものの、フルメンバーが参加した日本代表に入ったのは昨年3月が初めてだった。
実質的なデビュー戦となったW杯アジア2次予選の北朝鮮戦から8試合で6ゴール。特に11月シリーズでは、負傷離脱した上田綺世に代わってスタメン出場。インドネシア戦では相手のオウンゴールを誘発し、2戦目の中国戦ではヘディングで2得点。上田の不在を補ってあまりある活躍を見せ、昨年の代表戦でゴールネットを最も多く揺らした選手となった。日本代表3月シリーズはコンディション不良の影響もあって未招集だったが――52分に1得点というペースは、あのハーランドやケインに匹敵するものだ。そんな小川を欠いた3月25日のサウジアラビア戦で、日本代表は29試合ぶりに無得点で試合を終えた。
所属するNECナイメヘンでも、確かな存在感を放っている。
2024−25シーズンのリーグ戦ではこれまで22試合で7ゴールを決めている。あと8試合を残しているから、シーズン2ケタ得点もクリアできそうだ。もちろんチーム得点王で、チームの全得点のうち20.6%を決めている。特筆すべきは決勝ゴールを4度も記録しているところだ。決勝ゴールの数ではリーグ全体で3位タイにつけている。
なぜ「悔しい思いの方が強い」のか
とはいえ、「2024年は充実した時間を過ごせた」と本人が認識しているかというと、そうではない。
「昨年を全体的に振り返ってみると、悔しい思いの方が強いです。たしかに得点を取るという、自分の最もストロングなところは見せられたところはありますけど……」
そこまで話すと、小川は歯がゆさをにじませ、こうも激白した。
「チームの助けになるプレーなどをもっと、もっと、やらなきゃいけないところがあったので」〈つづく〉
