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「藤井さんに勝つの、きついですよー」永瀬拓矢九段の本音が沁みる…「ふ、藤井聡太七冠の賞金がケタ違い1億超!」観る将マンガ家が驚くトピックス
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千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida
posted2025/03/01 11:00

2月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!
〈第83期A級順位戦:最終順位〉
6勝3敗:永瀬拓矢九段、佐藤天彦九段→名人挑戦プレーオフへ
5勝4敗:渡辺明九段、佐々木勇気八段、増田康宏八段
4勝5敗:豊島将之九段、中村太地八段、千田翔太八段
3勝6敗:菅井竜也八段、稲葉陽八段→降級
最終局、勝者にプレーオフの可能性が生まれる永瀬−増田の対局を永瀬九段が制し、天彦九段が勇気八段に敗れたことによって、3月4日に名人挑戦権を争う2人のプレーオフが決定しました。人気棋士同士の最終決戦、途轍もない盛り上がりを見せそうです……。
一方で振り飛車の雄である菅井八段、順位戦で抜群の安定感だった稲葉八段がB級1組に降級という事実からは、とてつもなく厳しい世界であることを痛感します。
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藤井七冠をめぐる公式戦でのトピックと言えば、伊藤匠叡王への挑戦権をかけて行われている叡王戦本戦トーナメントです。関西将棋会館で開催された準決勝、藤井七冠−糸谷哲郎八段の対局は、すでに来期順位戦A級復帰を決めている糸谷八段が勝利しました!
一般的にはどうしても「今年度の“藤井八冠”復帰ならず」というヘッドラインになりがちですが……。
「これまで藤井七冠との対戦成績で8戦全敗を喫していた『ダニー』こと糸谷八段が、遂に初勝利を挙げたことは、長年の将棋ファン的には胸アツ!でもあります。以前にテレビ番組で、『藤井聡太さんに勝てない……』と嘆いていたこともありますし」
編集担当さんが高揚する気持ちも分かります(笑)。さらに朝日杯将棋オープン戦では、近藤誠也八段が優勝を果たしており、糸谷八段とともに来期A級昇級を決めたことも納得の好調ぶりを見せています。
女流棋界に目を移すと、今月の主役となったのは福間香奈女流五冠でしょう。第1子を出産して公式戦に復帰すると、早くも西山朋佳女流三冠との女流王座戦第2局で勝利、伊藤沙恵女流四段の挑戦を受ける倉敷藤花戦は先勝しました。2つのタイトル戦を並行して戦っているだけですごいのに、まさに母は強し……!
3)渡辺九段の復活がスゴすぎる
3枚目は将棋界の様々なトピックスを。
A級順位戦では結果だけをお伝えしましたが、膝に大ケガを負った渡辺九段が、完全復活を見せています。