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「藤井さんに勝つの、きついですよー」永瀬拓矢九段の本音が沁みる…「ふ、藤井聡太七冠の賞金がケタ違い1億超!」観る将マンガ家が驚くトピックス

posted2025/03/01 11:00

 
「藤井さんに勝つの、きついですよー」永瀬拓矢九段の本音が沁みる…「ふ、藤井聡太七冠の賞金がケタ違い1億超!」観る将マンガ家が驚くトピックス<Number Web> photograph by 日本将棋連盟/Junsei Chida

2月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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日本将棋連盟/Junsei Chida

 藤井聡太七冠を筆頭に2025年も話題満載の将棋界。漫画家で夫婦ともども「観る将」の千田純生先生に先月のハイライトを描いてもらいました。

 大雪が各地で降ったかと思ったら、突然暖かくなる今日この頃……ずいぶん激しい三寒四温に驚いていますが、年度末が近づく将棋界もサプライズなトピックが2月にありました。イラストで振り返っていきましょう!

1)藤井七冠、冬の陣も変幻自在…永瀬九段の本音

 冬のタイトル戦としてお馴染みの王将戦七番勝負(挑戦者は永瀬拓矢九段)、棋王戦五番勝負(同・増田康宏八段)が進んでいます。その中で藤井聡太七冠は前者で3勝、後者で2勝を挙げてダブル防衛にあと1勝としています。

「仕事柄、色々な競技を見聞きするのですが……」

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 イラストをやり取りしている編集担当さんが、こんな風に他競技の“現代版ヒーロー”と重ね合わせて語っていました。

「ボクシングの井上尚弥選手、野球の大谷翔平選手が圧倒的なパフォーマンスを見せていますが、パンチの種類や多彩な変化球など“様々な技”を駆使して対戦相手を倒しているんですよね。彼らと同じくここ最近の藤井七冠の戦型選択にもそれを感じるんです」

 たしかに。計6局(5勝1敗)の戦型をまとめてみると、このようになります。

〈王将戦〉
第1局:相掛かり 第2局:横歩取り 第3局:角換わり 第4局:角換わり相腰掛け銀
〈棋王戦〉
第1局:角換わり 第2局:雁木

 どんな戦形になっても安定した強さを発揮する藤井将棋の凄まじさ……あらためて感じ入るばかりです。その中で後がなくなった永瀬拓矢九段が第4局で1勝を返しました(「勝者の記念撮影」のタコ姿は衝撃かつ可愛らしかったです)。第3局後に永瀬九段は大川慎太郎記者の電話取材を受けており〈2日制対局の経験値が足りなすぎます。きついですよー。経験を積まないと、常人じゃ藤井さんには勝てません〉と本音を吐露していましたが……第4局で1勝を返した力は、さすがの軍曹と心打たれます。

 後述する順位戦A級最終局で永瀬九段と相まみえた増田八段も、3月2日の第3局で藤井七冠崩しの妙手なるか――。

2)“八冠挑戦”を阻止した「ダニー」の初勝利

 藤井名人への挑戦権、さらには残留を懸けたA級順位戦最終局、いわゆる「将棋界の一番長い日」ですが、2月27日に静岡・浮月楼で行われました。この対局では大盤解説会に藤井名人が登壇されて、棋力だけでなくトーク力にも磨きをかけている……と感心しつつ、同時進行の計5局の推移にも手に汗を握りました。

【次ページ】 3)渡辺九段の復活がスゴすぎる

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