Number Web MoreBACK NUMBER

「オオタニは想像以上の選手だった」“ドジャースの象徴”カーショーが大谷翔平を認めるまで…あの歓喜の日、なぜ耳元で“感謝”を伝えたのか?―2024下半期読まれた記事

posted2024/12/19 06:00

 
「オオタニは想像以上の選手だった」“ドジャースの象徴”カーショーが大谷翔平を認めるまで…あの歓喜の日、なぜ耳元で“感謝”を伝えたのか?―2024下半期読まれた記事<Number Web> photograph by Getty Images

シャンパンファイトで歓喜にひたるクレイトン・カーショーと大谷翔平

text by

阿部太郎

阿部太郎Taro Abe

PROFILE

photograph by

Getty Images

2024年の期間内(対象:2024年9月~2024年12月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。ドジャース部門の第5位は、こちら!(初公開日 2024年11月14日/肩書などはすべて当時)。

 10月30日、ワールドシリーズ第5戦後。敵地ニューヨークで歓喜の「シャンパンファイト」が始まった。上半身裸で美酒を浴び、びしょ濡れになっていたドジャースのクレイトン・カーショーは、大谷翔平を見つけると目を合わせ、2人で抱き合った。そして、ドジャースを長年支えてきた36歳は大谷の耳元でささやいた。

「サンキュー、サンキュー」

 自身は左足親指の怪我に泣き、ポストシーズンに間に合わなかったが、仲間が果たしてくれた「世界一」。悔しい思いは胸の奥にしまい、大谷に対して自然と感謝の言葉が口をついた。カーショーの思いが滲んだ瞬間だった。

カーショーの発案だった“大谷への祝福”

ADVERTISEMENT

 9月20日。大谷が敵地マイアミで史上初の「50-50」を達成した翌日、チームはマイアミから4400キロ離れた本拠地ロサンゼルスに戻ってロッキーズ戦を戦った。

 本拠地は「50-50」の偉業を祝うファンが試合前から詰めかけ、お祭り騒ぎだった。主役の大谷はいつものように準備を整え、1回の第1打席に入ると、ファンは総立ちとなった。だが、大谷に祝福を注いだのはファンだけではなかった。選手や監督もベンチから出てきて、拍手を送った。

 試合後、デーブ・ロバーツ監督が明かした。

「あれはカーシュのアイデアだった。みんなで前に出ようってね」

 長年、ドジャースを追いかけ、カーショーとも親しい球団リポーターのデビッド・バセイ氏は「カーショーは今年ずっと大谷を見てきて、彼に対する尊敬の念が深まった。だからそういうアイデアになったんだと思う」と話してくれた。

「自分が想像していた以上の選手だった」

 9月26日。カーショーは大谷について語った。

「彼が勝利にどれほどこだわっているか。特に最近見たビッグゲームでのエネルギーは本当に楽しい。彼は本当に、本当に勝利を望んでいて、ポストシーズンに行くことに興奮している。間違いなく、チームに活力を与えている」

【次ページ】 大谷とカーショーの“知られざる共通点”

1 2 3 NEXT
#大谷翔平
#クレイトン・カーショー
#デーブ・ロバーツ
#ロサンゼルス・ドジャース

MLBの前後の記事

ページトップ