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「オオタニは想像以上の選手だった」“ドジャースの象徴”カーショーが大谷翔平を認めるまで…あの歓喜の日、なぜ耳元で“感謝”を伝えたのか?―2024下半期読まれた記事
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph byGetty Images
posted2024/12/19 06:00
シャンパンファイトで歓喜にひたるクレイトン・カーショーと大谷翔平
「彼を見ていると、勤勉さがよく分かる。毎日が同じ。決して疲れた様子も見せず、愚痴をこぼさず、感じさせない。投手としてのリハビリも欠かさず、ウォームアップ、練習を繰り返し、本塁打を放ち、盗塁も増やす。その一貫性は評価に値する。細部へのこだわりと勤勉さ。見ていてクールだ」
カーショーは、トレーニングに一切妥協を許さないプロフェッショナルな選手として知られる。その厳しさと野球への熱量が、全盛期を過ぎても長年、メジャーの一線で勝てた理由だった。その男が大谷に、感銘を受けた。
「自分が想像していた以上の選手だった」
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その言葉は大谷の圧倒的な能力だけでなく、勝利への執念に向けられたものだった。
大谷とカーショーの“知られざる共通点”
パドレスとの地区シリーズ第4戦。負ければ、ドジャースの今季が終わってしまう。頂点に立った今、ドジャースのターニングポイントだったといえる試合で、大谷が審判に感情をあらわにした場面があった。
4回2死二塁。二塁走者の大谷は、三塁線の打球をマニー・マチャドがはじいたのを見て三塁を蹴ったが、そのボールが審判に当たって跳ね返ってマチャドの元に。マチャドはすぐさま本塁に送球し、大谷はタッチアウトとなった。何が起きたか分かっていなかった大谷はベンチでその映像を確認。その瞬間、怒りをあらわにして審判の方へ向かって、何か激しい言葉を叫んだ。審判に当たらなければ、楽々セーフ。本人は翌日、「忘れました」とはぐらかした。
この時、カーショーはベンチにいて、大谷に目をやった。その映像を見て、長年ドジャースの番記者を務め、カーショーを若い頃から知る名物コラムニストのディラン・ヘルナンデス記者は言った。
「あれは、ずっとカーショーがやってきたことだ。自分を思い出したのかもしれない」
闘争本能むき出しの姿を重ね合わせ、ヘルナンデス記者は笑った。