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慶大・清原正吾(21歳)の指名はある?…スカウトが語った“リアル評”「評価不能」「本気なら推したい」まさかの「アナウンサーか俳優に」の声も―2024年上半期読まれた記事
posted2024/09/18 06:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
2024年の期間内(対象:2024年5月~2024年8月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。高校・大学野球部門の第5位は、こちら!(初公開日 2024年6月10日/肩書などはすべて当時)。
昨年の今ごろだったか、廣瀬隆太内野手(現・ソフトバンク)の取材で、慶應義塾大学の野球部グラウンドにおじゃましたことがある。
授業優先ということだったが、それでも50人以上の選手たちが練習する広いグラウンドで、ざっと見渡しただけなのに、向こうのほうからポーンと私の目の中に飛び込んできた選手がいた。
昔の言い方で「8頭身」。頭が小さく見えて四肢がのびやかに長い。腰の位置が、ほかの選手と違って見えた。逸材は、探さなくても、向こうのほうからこっちの目に飛び込んでくる。私の中にある絶対経験則の1つである。
「あれが、清原さんです!」
近くの選手に訊いたら、そう答えたから驚いた。
「あれが、東京スカイツリーです!」……同じ表現だ。
際立っていた清原正吾の「オーラ」
その頃の清原正吾選手は、リーグ戦のメンバーには入っていたものの、まだレギュラーではなかった。それでも、すでにして、慶應義塾大学野球部のランドマークタワーとしてそびえ立っているのか。
確かにオーラはすごかった。
守備練習でノックのゴロを捕り損なって横に逸らしても、その逸らし方がかっこよかった。顔をしかめて、言いわけがましく悔しそうになんかしない。パッと作った笑顔がすごく前向きに見えて、ボールを拾って一塁に投げるアクションが、もう一度かっこよかった。
清原の時って甲子園出たんだっけ、慶應高校。
いつの間にかそんな自問の答え探しの中に迷い込んでいた。
6月2日、早稲田大学の優勝で幕を閉じた春の東京六大学リーグ戦。
慶應義塾大・清原正吾選手は、打率.269をマークし、リーグ最高の5二塁打を放って、「一塁手」としてベストナインに選ばれた。