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高校野球“チアの盗撮”に本音「ノースリーブとミニスカートに憧れたけど…」現地記者が聞いた「半袖が安心」「先生が応援席をパトロール」悩む現場
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2024/08/14 17:00
高校野球のアルプス「チアの盗撮対策」。現地で部員の本音を聞いた
高野連に聞いたところ、数年にわたり「撮影禁止」の札を掲げ続けたことと、アルプススタンドの前列に一般客を入れず、学校関係者のみに限定した学校が増えたことが大きいという。
「昨年まで、フェンスに『撮影禁止』のプレートを張って対策し、警備員との連携を強めました。応援団責任者会議でも、学校側にチアの服装への配慮をお願いし、多くの学校が考慮してくださったのだと思います」(大会本部スタッフ)
盗撮から生徒を守るため、「ノースリーブの下に長袖のインナーを着る」「ボトムスをパンツスタイルにする」という学校もあったが、「かわいい服装で応援したい」という生徒たちの気持ちも考慮し、野球ユニホームが増えたのだろう。「スカートを穿きたいという声も多かったが、何度もミーティングを重ね、最終的に多数決でショートパンツに決めた」というチアリーディング部も多かった。
先生が応援席をパトロールしていた…
このほか、各校の教員も、「『盗撮禁止』の札を持って応援席をパトロールする」「カメラを構えた人を見かけたら声をかける」「怪しい行動をとる人がいたら警備員に即連絡する」「フェンスから離れた場所にチアを配置する」「チアの周辺に教員が立つ」など、生徒たちを守るため、さまざまな方法で目を光らせている。かつてのように、観客が一斉にカメラを構えていると、心理的に「みんながやっているから自分もいいだろう」となるが、パタリといなくなると、やりにくくなるのだろう。
キラキラと目を輝かせて選手にエールを送り、スタンドを盛り上げる彼女たちを見て、「何の心配もなく、好きな服装でのびのびと踊れるといいのに……」と筆者も強く思った。日々練習を重ねて選手を後押しする生徒たちが、安心して応援できる環境が当たり前になってほしい。
※写真は学校の許可を得て撮影・掲載しています。