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英国人記者が力説「マエダはセルティックが誇る宝」FW前田大然の魅力は爆走だけでなく…「なんてこった!」ファンの心をつかんだ“SNS投稿”
text by
アレックス・オヘンリーAlex O’Henley
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2024/06/07 17:01
日本代表でも絶え間ないスプリントでおなじみの前田大然。英国スコットランドでは高く評価されている
しかもこの時にひざを負傷し、6週間の離脱を強いられることに。前田不在のチームはその後、ラツィオに敗れ、最終節の前に最下位が確定した。
リーグ戦では5試合を欠場し、12月中旬に復帰。それからひと月と経たないうちに、アジアカップの日本代表に選出された時は、クラブ関係者を含む多くの人が驚いた。
実際、カタールで開催された大会ではグループステージの2試合に途中出場し、最終戦となったイランとの準々決勝で初先発しただけだったが、今になって思えば、前田のフィットネスを改善するためには、良い機会だったのかもしれない。
今季絶望のはずが「これほど早く回復するとは」
グラスゴーに戻ってきてからはレギュラーの座を守り、キャメロン・カーター=ヴィカーズや旗手といった主力が順次、戦列に戻ってきた春には、チームに勢いが生まれていった。
前田は4月7日の敵地でのオールドファームで、開始早々に宿敵レンジャーズの主将ジェームス・タバニエに走り勝ち、ダイレクトで鋭い先制点を奪った。最終的に3-3となり、チームはアウェーでのナショナルダービーでまずまずの結果を手にしたが、試合後に前田のハムストリングに故障が発覚。上位6チームによる終盤戦を含め、残りのシーズンは絶望的とも報じられた。
ところが前田はそうした予想を覆し、リーグ戦の2試合を欠場しただけで、ひと月もしないうちに復帰。ロジャース監督は、次のように喜んだ。
「うちの医療チームのチーフも、ものすごく驚いていたよ。普段から、彼のフィジカルそのものには目を丸くしているが、これほど早くリカバーできるとはね。脱帽だよ」
ダービー後、サポの心をつかんだSNS投稿とは
レンジャーズとその右SBタバニエにとっては、嫌なニュースだったに違いない。
今季4度目の対戦となった5月11日のホームゲームでは、左ウイングに入った前田が躍動。35分に味方が先制した後、後方からのロングフィードを走りながらつま先で巧みに収めると、対峙したタバニエの股間を通してグラウンダーのクロスを入れ、ジョン・ルンドストラムのオウンゴールを誘発した。得点を見届けた前田はそのままゴール裏のスタンドに飛び込み、ホームの熱狂的なファンと喜びを分ち合った。