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英国人記者が力説「マエダはセルティックが誇る宝」FW前田大然の魅力は爆走だけでなく…「なんてこった!」ファンの心をつかんだ“SNS投稿”
text by
アレックス・オヘンリーAlex O’Henley
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2024/06/07 17:01
日本代表でも絶え間ないスプリントでおなじみの前田大然。英国スコットランドでは高く評価されている
後にこの時の光景は、ルチアーノ・パヴァロッティが歌うアリア『誰も寝てはならぬ』をBGMに、SNSで拡散された。
それは前田がセルティックのサポーターから、チームのアイコンのひとりと認められた瞬間だった。日頃はあまり感情を表に出さない彼が、この時ばかりは無意識のうちに喜びを爆発させ、そのゴールの持つ意味とファンの大きな愛に気づいたように見えた。ただし、この英雄的な行動は主審に咎められ、直後にイエローカードが提示された。すると前田は自身のSNSで、警備員と抱き合う姿の写真と共にこうつぶやいた。
「ファンのもとに飛んでいったらイエローカードをもらうなんて、知らなかったよ! なんてこった!(ピースサインの絵文字)」
爽やかに皮肉を記したことにより、前田はさらにファンを増やしたはずだ。
走力とフィジカル、笑顔はセルティックの宝のひとつ
翌節の敵地でのキルマーノック戦では、1得点と1アシストをマークして5-0の大勝に貢献し、セルティックは13シーズンで12度目のリーグ優勝を決めた。さらにその10日後には、スコティッシュFAカップ決勝でレンジャーズを1-0で下して2冠を達成。前田はこの試合にもフル出場している。
ゴール前の落ち着きと決定力は今季も課題として残ったが、セルティックのサポーターの大部分は温かい目で見守っている。なぜなら、それ以外の面でチームに尽くしていることを知っているからだ。彼の走力とフィジカル、そして仲間やファンに向けられる優しい笑顔は、スコットランド王者が誇る宝のひとつである。
シーズンを通して間近で前田を観てきた者として、今季の彼には自信を持って、7点か8点をつけたいと思う。
<つづく>