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U-23アジア王者・日本に英国人記者が“警鐘”「厄介なライバルになりうる」韓国撃破インドネシア、トルシエ解任ベトナムも…ASEAN躍進の背景
posted2024/05/04 17:04
text by
マイケル・チャーチMichael Church
photograph by
Masashi Hara/Getty Images
人口2億8000万人…特大のポテンシャル
日本がパリ五輪への切符を勝ち獲ったU-23アジアカップで、域内の代表チームの実力差が、かつてないほどに縮小していることを感じた。インドネシアが韓国を破ってベスト4に入り、ベトナムは準々決勝でイラクに0-1と惜敗。特にアジア随一の熱狂的なファンを持つ前者は、次のW杯出場権を虎視眈々と狙っている。
2014年大会以降、アジア予選を勝ち上がった国は、日本、韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリアの5カ国のみ。2022年大会に出場したカタールは、開催国として自動的に参加枠を得ていた。ここ3大会、世界の檜舞台への狭き門を突破できたのは、少数のエリートチームだけだったわけだ。
ところが、次の2026年大会の参加国がこれまでの32チームから48チームに拡大され、アジアには8.5枠が振り分けられている。これにより、過去に涙を飲んできた多くの代表チームが、W杯本大会を現実的な目標と捉えるようになった。
U-23アジアカップで同国史上初の五輪出場権を獲得したウズベキスタンや、今年のアジアカップで準優勝したヨルダン、同大会のグループステージで日本を下したイラクなども力をつけているが、もっとも勢いがあるのは東南アジア諸国だろう。なかでも、インドネシアの躍進は目覚ましい。
以前にアジアサッカー協会の書記長を務めたピーター・ベラッペンは、同国のことを「アジアのブラジル」と呼んでいた。さすがにそれは大袈裟かもしれないが、2億8000万の人口とたくさんの熱いサポーターを持つインドネシアは、この競技においても特大のポテンシャルを宿している。
“アジア勢初のW杯出場”インドネシアのオランダ戦略
元々、技術的なレベルは決して低くなかった。だがフィジカルを強化するメソッドや栄養学が確立されておらず、タフなチームに屈することが多かった。
しかし5年ほど前に、いよいよ本格的な強化に乗り出した。それまではASEANの盟主として、この競技でも存在感を高めようと議論を重ねていたが、実際に形になるまでに長い時間を要している。