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制御不能男・内藤哲也の“新世代へのホンネ”「辻陽太は頭五つぐらい抜けている」…喧嘩屋モクスリーと大一番も「このベルトはオレのことが好き」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/04/11 17:01
辻陽太を倒し、IWGP世界ヘビー級王座2度目の防衛に成功した内藤哲也。「中5日」でシカゴに乗り込み喧嘩屋ジョン・モクスリーの挑戦を受ける
「辻陽太は新世代で頭五つぐらい抜けている」
「勝てなかった。オレは新日本を背負っていかなきゃいけないんだ。負けた今でも、その気持ちは変わらない。負けたなら、倒れたなら、また立ち上がる。倒れても転んでも、何度だって立ち上がる。それを見せるのがプロレスラー、そして新日本プロレスだろう? 今日はただ運命がオレに振り向かなかっただけだ」(辻)
「辻陽太は新世代、確かにまだ若い選手だし、海外から帰ってきたばっかだし、次世代。まあでも、もう文句のつけどころがないぐらい今のトップの一角でしょう。なんかそんな状況が嬉しくもあり、悔しくもあり、でもこうして新しい新日本プロレスの力、新しい選手の壁となって立ち塞がる。この状況がなんか嬉しくもあるって思いますよ。新世代と呼ばれている選手たちの中でも頭一つ、二つ、三つ、四つ、五つぐらい陽太は抜けていると思いますよ」(内藤)
次の内藤への挑戦者は「喧嘩屋」ジョン・モクスリーだ。このモクスリーが、内藤vs.辻を前に面白いことを言っていた。
「新日本プロレスは、世界で最もタフな団体だ。身も心も捧げて挑まなければ、リングから歩いて降りることはできない。オレもバスやホテルまで歩けないかもしれないが、仕事はやり遂げることができた。今夜のメインイベントで、辻陽太は多くを学ぶだろう。彼は勝利を信じているようだが、どうだろう? オレはよく知っている。トップに君臨することの難しさ。そしてトップの座に居続けることはさらに困難なことを。体が動くかどうかだけじゃない。気持ちがどう作用するかが重要だ。あのボーイがその険しい道についてどれだけ知っているのか? 内藤哲也を追い込むために、どこまでその険しい道程を進めるかオレの知ったことじゃない。だが、それがまさにオレがここにいる(海野)翔太に教えようとしていることなんだ」
モクスリーは5年前、初めて新日本プロレスの両国国技館に姿を見せた時から、海野をそばに置いていた。モクスリーのキャラクターと海野のアンバランス感に戸惑いさえ覚えたが、なぜかモクスリーは海野が気に入ったようだ。