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西地区首位に迫るサンダー。KD&ラス時代を超えられるか。
posted2024/01/29 09:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
「私たちは、まず朝食を食べ終えなくてはいけない」
オクラホマシティ・サンダーのGM、サム・プレスティは、平均年齢25歳に満たない若いチームへの期待の声をたしなめるかのように言った。昨季はあと1歩でプレイオフを逃したものの、5割近い勝率をあげている。先の言葉は、優勝に近づくために大きな補強を考えているか聞かれたときの答えで、開幕前の時点では理解できる内容だった。
しかし今シーズンのサンダーは、そんなプレスティの控え目なコメントを吹き飛ばすかのような快進撃を見せている。1月上旬、シーズン折り返し点が近づく中、7割近い勝率で西カンファレンスの首位争いをしているのだ。昨季、初めてオールNBAチーム入りした25歳のエース、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはMVP候補まで成長。昨季を怪我で全休したチェット・ホルムグレンは話題の新人ビクター・ウェンバンヤマを凌ぐ活躍で、新人王の有力候補と評される。他の選手たちもそれぞれ成長を見せており、朝食どころか、すでに大盛ランチを食べ終えて、晩餐に備えるかのごとくだ。